食材としてつとに評価の高い和牛。最近は脂身の少ない赤身が求められる傾向にある。その旨さを引き出す名料理人の技を知り、家庭で実践できるとっておきの調理法を学ぶ。
「『基本の和牛ステーキ』が上手に作れたら、様々な献立に展開させてみましょう。野菜を合わせれば栄養バランスも整い、さっぱりとして飽きずに食べられますよ」
と、多彩なアレンジレシピを教えてくれた野崎さん。
「和牛ステーキの旬野菜グリル添え」は、焼き網で焼いた野菜の香ばしさが加わり、ソースとなる煮汁に深みが生まれる。「和牛ステーキサラダ」は、ステーキを薄切りにすることでローストビーフのような味わいになり、野菜のすりおろしを加えた爽やかなドレッシングとの相性も良い。「和牛ステーキ丼」では、海苔の香りが和牛の味わいを絶妙に引き立てる。
同じ味付けのステーキを使いながら、全く別の新たな美味しさを感じる献立である。家庭での楽しみ方がさらに広がりそうだ。
指導 野崎洋光さん(日本料理店『分とく山』総料理長)
※野崎さんの「崎」はただしくは「たつさき」です。
和牛ステーキの旬野菜グリル添え
【材料(2人分)】
和牛ステーキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1枚
(『分とく山』野崎洋光さんが教える「美味しい和牛ステーキを作る」驚くべき調理法【名店に学ぶステーキの焼き方】参照)
パプリカ(赤・黄)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・各1/2個
(種を除き、半分に切る)
ズッキーニ、茄子(1.5㎝厚さの輪切り)・・・・・各2切れ
ヤングコーン(生)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2本
ブロッコリー(小房に分けて茹でる)・・・・・・3個
【作り方】
1. ガスコンロに焼き網をのせて中火にかけ、ブロッコリー以外の野菜をのせて焼く。香ばしく焼き色がついたものから取り出す。
2. 『分とく山』野崎洋光さんが教える「美味しい和牛ステーキを作る」驚くべき調理法【名店に学ぶステーキの焼き方】の「5.」まで同様に作り、肉を休ませている間に、煮汁に「1.」の野菜を加えて、さらに加熱して、程よく火が通ったら取り出す。
3. まだ固い野菜は煮汁に入れたままにし、牛肉を戻し入れ、「基本の和牛ステーキ」と同様に、休ませながら仕上げる。
4. 牛肉の粗熱が取れたら、包丁をやや寝かせるように入れて、繊維を断つようにひと口大に切る。パプリカもひと口大に切る。
5. 器に牛肉、焼いて煮た野菜、ブロッコリーを彩りよく盛り合わせて、煮汁をかける。
和牛ステーキサラダ
【材料(2人分)】
和牛ステーキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1枚
(『分とく山』野崎洋光さんが教える「美味しい和牛ステーキを作る」驚くべき調理法【名店に学ぶステーキの焼き方】参照)
ベビーリーフ、芥子菜(からしな)、ケール・・・・各適量
A
人参、玉葱のすりおろし・・・・・・各大匙(おおさじ)2
サラダ油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大匙5
胡麻油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大匙1
米酢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大匙4
醤油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大匙2
砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大匙1
【作り方】
1. Aの材料のうち米酢だけを小鍋に入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせて酸味をとばしたら、すぐに火を止める。そのまま粗熱が取れるまで冷ます。
2. 芥子菜、ケールは、ひと口で食べやすい大きさにちぎる。
3. ドレッシングを作る。「1.」の米酢、Aの残りの材料をすべてボウルに入れて混ぜる。
4. 和牛ステーキは、厚さ5~8mmのそぎ切りにする。
5. 器に芥子菜、ケール、ベビーリーフ、切ったステーキを交互に重ねて盛り合わせ、「3.」のドレッシングをかける。
和牛ステーキ丼
【材料(2人分)】
和牛ステーキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1枚
(『分とく山』野崎洋光さんが教える「美味しい和牛ステーキを作る」驚くべき調理法【名店に学ぶステーキの焼き方】参照)
海苔(全型) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1枚
青葱(斜め切り) ・・・・・・・・・・・・・・適量
温かいご飯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・丼2杯分
【作り方】
1. 海苔は香りが立つまでガスコンロで軽く炙り、細かくちぎる。
2. 和牛ステーキは、厚さ7~8mmのそぎ切りにする。
3. 温かいご飯を丼によそい、ステーキの煮汁を大匙1~2杯、まわしかける。海苔を散らし、切ったステーキをのせ、青葱を飾る。好みでおろし生姜(分量外)を添える。
※ここで紹介した料理はお店では提供していません
取材・文/大沼聡子 撮影/泉 健太
※この記事は『サライ』2022年9月号より転載しました。