先達たちが材料の入手から苦労して作ったチーズケーキも、今はレシピも豊富で初心者でも作れるようになった。この道のプロに、美味しくて失敗しにくい作り方を教わった。
オーブンを使うベイクドチーズケーキ
数々のレシピ本やテレビなどへの出演で知られる、『オーブン・ミトン』の小嶋ルミさんに、チーズケーキの作り方を指南してもらった。
当初、焼かないレアタイプが簡単かと小嶋さんに聞けば「レアチーズケーキは、調理中の温度管理などがけっこう大変です。焼くほうが断然、楽」とのこと。今回は、オーブンを使うベイクドチーズケーキに挑戦してみたい。
材料のチーズなどは、どれも入手しやすいものばかり。ただ、ケーキを焼くためのステンレス製の丸型は必要。用意がなければ洋菓子の材料店などで買い求めておく。
道具と生地に入れるチーズ
底生地に市販のビスケットを使う
生地は、『オーブン・ミトン』で販売されている「ニューヨークチーズケーキ」が基本。これまで家庭で作るチーズケーキには、グラハムクッキーを使うのが一般的だったが、カラメルビスケットを使うことにより、シナモンやクローブ、ジンジャーといったスパイシーな味の組み合わせが楽しめる。仕上げにカラメルソースをかけることで、深い味わいになる。
ホロっとした食感を出すために、チーズ生地をよく混ぜ、空気を含ませるのがコツ。低温のオーブンで、焼き上げる。
作り方
底生地を作る
1.カラメルビスケットを密封袋などに入れ、粗い粒状になるまで麺棒を転がして砕く。
2.砕いたクッキーを溶かしバターと混ぜる。
3.丸型に2を平らに入れ、ラップをかけ上から押す。170℃のオーブンで8~10分焼き、冷ます。
カラメルソースを作る
あらかじめ生クリームと牛乳を合わせて40℃くらいに加熱しておく。小鍋にグラニュー糖を入れ中火で全体を焦がす。生クリームと牛乳を加えて混ぜ、その後に水飴を混ぜ合わせ、そのまま室温に戻す。固かったら水を加えて緩める。冷蔵庫で1週間ほど日持ちする。
生地を作る
1.クリームチーズはラップで1~2cmの厚みに整え電子レンジで表面温度を16~18℃に。指で押してやっとへこむくらい、柔らかくしすぎないのがコツ。チーズをボウルに入れて細粒糖とバニラオイルを加え、ゴムベラですり混ぜる。
2.グラニュー糖が溶けて柔らかくなったら泡立て器に持ち替え、強く前に押すように50回ほど混ぜる。
3.全卵を3回に分けて入れる。一回ごとになじませてからそのたびに50回ほど混ぜる。よく混ぜ込むのがコツ。
4.生クリームを混ぜ加える。
5.4の一部を小さなボウルに取り分け薄力粉を入れダマにならないように混ぜ、4に戻し入れよく混ぜる。
6.焼いて冷ましておいた底生地に5を流し150℃のオーブンで43~45分焼く。焦げ目は付けない。
7.焼き上がりは中心に竹串を刺すと、とろみのついた生地が付くくらいが目安。全体が膨らみ、高さが1.5~2cm程度に膨らんでいればよい。型のまま冷蔵庫で冷やし、翌日以降に切り分ける。
8.温めたナイフでケーキを切り分け、カラメルソースをかけカラメルビスケットを1枚の半分程度あしらって完成。
完成
●指導 小嶋ルミさん(パティシエール)
●オーブン・ミトン
東京都小金井市本町1-12-13
電話:042・388・2217
営業時間:10時30分~17時
定休日:月、火、水、年末年始、夏期
交通:JR中央線武蔵小金井駅より徒歩約8分
取材・文/宇野正樹 撮影/多賀谷敏雄 取材協力/金澤 遼
※この記事は『サライ』本誌2022年4月号より転載しました。