急ぎ足の観光客だけでなく、地元の「みやこ人」たちからもこよなく愛される京都の「おうどん」。出汁や麺、具材など個性豊かなメニューの数々と、その美味しさの秘訣を紹介する。

出汁も麵も無添加を徹底。昭和の雰囲気が漂う大衆店

六条新町 招福亭(たぬきうどん)

「たぬきうどん」650円。『京とうふ並河商店』(下京区)の薄揚げを刻んでたっぷり。とろりとした餡と、おろし生姜が基本の形。
麺は自家製。刻み揚げと九条ねぎを少しの間煮込み、水溶き片栗を流し込んだ出汁がよく絡む。

関東と関西で最も異なるのが、たぬきうどんだろう。関東ではたぬきといえば、天かす(揚げ玉)入り。一方、大阪ではきつねそばを指す。そして、京都では、刻み揚げの餡かけのことをたぬきと呼ぶ。それを知らずに京都でたぬきうどんを注文して戸惑う人もいるが、その美味しさに舌を巻く人も多い。

『六条新町 招福亭』の開業は、昭和13年。石川県出身の初代が現店舗の真向かいで店を開いたのが始まりだという。5年前に現在の地に移転して店が広くなったことで、京都を訪れる観光客なども通う繁盛店になった。

それでも定番のうどんはいずれも500~600円台という手ごろさだ。

「麺や出汁はもちろん、天ぷらや甘ぎつねなど具材、お漬物などもすべて自家製ですから。家族で切り盛りしていれば、それほど値上げをせずにやっていけます」と話すのは、女将の清水美鈴さん(73歳)。

とはいえ、材料は吟味されたもので、小麦粉や野菜は減農薬栽培、薄揚げは昔ながらの製法を守る豆腐店から仕入れている。客の健康を考えた食材が自慢だと清水さんは言う。

美鈴さんの息子で3代目を継ぐ清水裕介さん(49歳)。早朝の製麺や調理のほとんどを担っている。
向かいにあった旧店舗から客席を増やすため移転。行列ができる日も。

京都市下京区艮町894
電話;075・351・6111
営業時間:11時~19時
定休日:不定
交通:京都市営地下鉄烏丸線五条駅より徒歩約5分

 

取材・文/中井シノブ 撮影/高嶋克郎、竹中稔彦
※この記事は『サライ』2022年3月号別冊付録より転載しました。

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