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取材・文/池田充枝

奈良に春を告げる伝統行事「お水取り」。3月1日から14日間にわたって行われるこの法会のクライマックス、13日未明の松明に照らされた神秘でダイナミックな「お水取り」は二月堂を埋め尽くす大観衆で沸きます。

この時季に合わせて、奈良国立博物館ではお水取りの歴史を貴重な絵画や古文書、法具などを展示して紹介する恒例の展覧会が開かれます。(3月14日まで)

二月堂縁起上巻(部分) 奈良・東大寺蔵

二月堂縁起上巻(部分) 奈良・東大寺蔵

本展の見どころを奈良国立博物館の学芸部主任研究員、山口隆介さんにうかがいました。

「お水取りは東大寺の二月堂で行われる仏教法会で、正式には修二会(しゅにえ)といいます。法会の目的は仏の前で罪過を懺悔(さんげ)すること、すなわち悔過(けか)です。現在は3月1日から14日まで行われ、その間、心身を清めた僧(練行衆・れんぎょうしゅう)が十一面観音の前で宝号(ほうごう)を唱え、荒行によって懺悔し、あわせて天下安穏などを祈願します。

重要文化財 十一観音菩薩像(部分) 奈良・東大寺蔵

重要文化財 十一観音菩薩像(部分) 奈良・東大寺蔵

お水取りは、天平勝宝4年(752)に東大寺の実忠和尚(じっちゅうかしょう)が初めて十一面悔過を執行して以来、一度も絶えることなく不退(ふたい)の行法(ぎょうほう)として約1260年にわたって勤め続けられてきました。そこには東大寺が歩んできた長い歴史が刻み込まれています。

重要文化財 二月堂神名帳(部分) 奈良・東大寺蔵

重要文化財 二月堂神名帳(部分) 奈良・東大寺蔵

本展は、毎年、東大寺でお水取りがおこなわれるこの時季にあわせて開催する恒例の企画です。実際に法会で用いられた錫杖(しゃくじょう)や三鈷鐃(さんこにょう)などの法具や、本尊十一面観音像を描いた絵画、お水取りにまつわるさまざまな古文書、二月堂周辺の発掘調査で出土した瓦や土器などを展示いたします。

重要文化財 三鈷鐃〔堂司鈴〕 奈良・東大寺蔵

重要文化財 三鈷鐃〔堂司鈴〕 奈良・東大寺蔵

朱漆塗担台 奈良・東大寺蔵

朱漆塗担台 奈良・東大寺蔵

この機会に、お水取り(修二会)への理解がいっそう深まれば幸いです。」

1200年を超える歴史を知れば、お水取り見が意義深いものになること請けあいです!!

【開催要項】
特別陳列 お水取り
会期:2019年2月8日(金)~3月14日(木)
会場:奈良国立博物館 東新館
住所:奈良市登大路町50(奈良公園内)
電話番号:050・5542・8600(ハローダイヤル)
https://www.narahaku.go.jp/
開館時間:9時30分から17時まで、ただし2月8日(金)・9日(土)は21時まで、2月10日(日)~14日(木)は20時30分まで、2月8日・9日を除く金・土曜日は20時まで、3月3日(日)~7日(木)・10日(日)11日(月)・13日(水)・14日(木)は18時まで(いずれも入館は閉館30分前まで)
休館日:2月18日(月)、25日(月)

取材・文/池田充枝

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