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琳派はどのように継承されてきたか?を見る《琳派 ―俵屋宗達から田中一光へ―》展

取材・文/池田充枝

17世紀、京都で活躍した画家・俵屋宗達(たわらや・そうたつ)は、やまと絵の様式を基盤としながら、デフォルメやトリミングといった斬新なアレンジにより、装飾性と意匠性に富んだ独自のスタイルを確立しました。

宗達のデザイン性豊かな造形は、18世紀の尾形光琳(おがた・こうりん)に継承され、19世紀に入ると、大名出身の酒井抱一(さかい・ほういつ)がさらなる洗練を加え、いわゆる「江戸琳派」の様式を確立しました。

伝 俵屋宗達《槇楓図》〔17世紀(江戸時代)紙本金地・彩色 山種美術館蔵〕

このような琳派のデザイン性の伝統は、近代・現代における日本画では菱田春草(ひしだ・しゅんそう)や速水御舟(はやみ・ぎょしゅう)、福田平八郎、加山又造をはじめとする画家の作品にその影響が見られ、さらには「琳派は〈日本のかたち〉の原型だ」と述べて琳派のエッセンスを随所にちりばめた作品を数多く発表したグラフィックデザイナー田中一光らにも引き継がれました。

そんな琳派のデザイン性の魅力とその継承を一望する展覧会《琳派―俵屋宗達から田中一光へ―》が、東京の山種美術館で開かれています(~2018年7月8日まで)。本展では、山種美術館が誇る琳派コレクションを中心に、琳派の画家の優品が一堂に会します。とくに近年、修復を行った伝宗達《槙楓図》は、本展が初のお披露目となります。

尾形光琳《白楽天図》〔18世紀(江戸時代)紙本金地・彩色〕 5月12日~6月3日展示

本展の見どころを、山種美術館の館長、山﨑妙子さんにうかがいました。

「古くは17世紀に描かれた琳派の作品は、毎年展覧会が開催されるほど今なお高い人気です。人々を惹きつける要因の一つとして、現代にも通じるデザイン性の高さがあげられるでしょう。本展ではその特徴をひもとくため、3つの章にわけて展覧会を企画しました。

まず第1章では、俵屋宗達、本阿弥光悦から尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一といった名だたる琳派の絵師の作品を揃え、その魅力をご覧いただきます。さらには「近代の琳派」と称された神坂雪佳を取り上げ、工芸にも及んだそのデザイン性をご紹介します。

酒井抱一《秋草鶉図》〔重要美術品 19世紀(江戸時代)紙本金地・彩色 山種美術館蔵〕

続く第2章では、明治以降の日本画家が、いかに琳派を自らの画風に摂取していったかを取り上げます。当時、西洋画に対抗しうる日本画のあり方を模索する中、装飾性や平面性といった日本絵画の特質を琳派に見出す画家もいました。菱田春草、速水御舟たちの作品から「構図の継承」や「装飾性とデザイン性」などの琳派の特徴との関連性がうかがえる作品を選び展示しています。

速水御舟《翠苔緑芝》(左)〔1928(昭和3)年 紙本金地・彩色 山種美術館蔵〕

速水御舟《翠苔緑芝》(右)〔1928(昭和3)年 紙本金地・彩色 山種美術館蔵〕

最後の第3章では、20世紀を代表するグラフィックデザイナーの一人、田中一光の作品をご覧いただきます。日本の古典芸術への造詣が深かった一光は、琳派に早くから関心を寄せ、自身のデザインに活かしました。本展では、そのアイディアの源ともいえる作品も一部あわせて展示し、その世界をご紹介します。

17世の宗達・光悦に始まり、20世紀の田中一光へと受け継がれた琳派の造詣の魅力を存分に楽しんでいただける展覧会です。皆様のご来場をお待ちしております」

洗練された華麗な美の世界が広がる、琳派の特別展です。ぜひ会場に足をお運びください。

【開催要項】
特別展 琳派 ―俵屋宗達から田中一光へ―
会期:2018年5月12日(土)~7月8日(日)会期中一部展示替えあり
会場:山種美術館
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
電話番号:03・5777・8600(ハローダイヤル)
http://www.yamatane-museum.jp/
開館時間:10時から17時まで(入館は16時30分まで)
休館日:月曜

取材・文/池田充枝

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