現代の日本は「人口の減少」と「少子高齢化」という大きな問題を抱えています。この問題からは様々な影響が考えられますが、労働力の主体である生産年齢人口(15歳~64歳)の減少は致命的ともいえます。そこで政府は問題の解決策として働き方改革に着手し、「高齢者の就業促進」(出典元:第7回働き方改革実現会議 高齢者の就業促進について/厚生労働省)を積極的に進めてきました。
こうした背景を機に、ほとんどの企業が65歳での定年制を導入し、定年後の雇用継続や高齢者が安定して働ける仕組みづくり等、社会は著しく変化し続けている中で、これから定年を迎えるであろう現代の40代後半から50代の方はどのように感じているのでしょうか。
JAGフィールド株式会社(https://www.jag-fld.com/)が、40後半~50代で有職者の男女を対象に「プレシニア(40代後半~50代)の老後」に関する意識調査をしました。他の人がどう考えているのか、見ていきましょう。
■6割以上は定年後も働き続けたい!働きたい理由と働きたくない理由を公開!
まず、「定年後も働き続けたいですか?」と質問したところ、6割以上の方が「はい」(63.9%)と回答されました。
上記で「はい」と回答された方に理由を質問したところ、「老後の生活に不安を感じているから」(76.1%)という回答が最も多く、次いで「働くことが好きだから」(9.5%)、「何をしていいかわからないから」(6.9%)、「定年の概念が無いから」(5.5%)と続きます。
また、「いいえ」と回答された方に理由を質問したところ、「趣味に力を入れたい」(42.4%)という回答が最も多く、次いで「仕事しかしてこなかったからゆっくりしたい」(37.3%)、「家族サービスをしたい」(10.0%)、「預貯金に余裕があるから働く必要が無い」(4.3%)と続きます。
上記の調査では、多くの方は老後の生活に不安を抱えており、以前金融庁が公表した「老後2,000万円問題」に関する余波も無視できないでしょう。
一方で、定年後に働き続けたくないという方の中では「預貯金に余裕があるから働く必要が無い」という方はごく少数となり、定年後にこれまでの収入を得ることができない方は、根本的に金銭的な問題を抱えていることがわかります。
■今のままでは老後資金がまかなえない?将来欲しい最低月収額とは
前項ではさまざまな定年後の生き方がみられましたが、何をするにも「お金」は重要になるでしょう。そこで、「現在の預貯金で老後資金をまかなえますか?」と質問したところ、9割近くの方が「いいえ」(87.0%)と回答され、老後の収入に不安を抱えている方は大変多いことがうかがえます。
では、老後の月収はいくらあれば生活できるのでしょうか。「定年後に得たい最低月収を教えてください」と質問したところ、「10万円以上20万円未満」(45.8%)という回答が最も多く、次いで「20万円以上30万円未満」(37.1%)、「30万円以上40万円未満」(11.2%)、「50万円以上 」(4.3%)、「40万円以上50万円未満」(1.6%)と続きます。
意外にも多くの月収を望まれる方は少数となり、皆さん現実的な金額を選択される結果となりました。
■定年後は“経験を活かす”ことができ、“自分に合った仕事”をすることが重要
冒頭でも述べた生産年齢人口の減少に伴い、定年の引き上げも検討される中、やはり生涯現役であり続けることが重要ではないでしょうか。
しかし、働き続けることに対して不安に思っている方も少なくないようです。
そこで、「定年後に働くことについての不安を教えてください」と質問したところ、「体力や健康面が不安」(53.9%)という回答が最も多く、次いで「手に職や資格がない」(24.4%)、「モチベーションの維持」(13.1.%)、「最新の技術についていけるか不安」(7.3%)と続きます。
さまざまな不安が挙げられましたが、老後の生活を豊かなものにするためには、やはり経験を活かした仕事で自分に合った働き方をすることかもしれませんね。
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いかがでしたか? プレシニア(40代後半~50代)の方たちの多くは老後の生活に不安を感じていることがわかりました。年齢を重ねると、どうしても体力や健康面に不安が出てきてしまいますが、自分に合う働き方を模索していく必要があるのかもしれませんね。
【調査概要:「プレシニア(40代後半~50代)の老後」に関する意識調査】
■調査期間:2019年11月21日(木)~ 2019年11月22日(金)
■調査方法:インターネット調査
■調査人数:1,105人
■調査対象:40後半~50代で有職者の男女
■モニター提供元:ゼネラルリサーチ