デパ地下の食品売り場には、おしゃれで美味しそうな総菜がズラリと並んでいる。外食するよりはお手頃なのだが、それらを利用するのに抵抗を感じる人も少なくないようだ。そこで今回は、宅配 健康食・栄養調整食のパイオニアであるタイヘイ株式会社が実施した「60代以上の二人暮らしのシニア夫婦の食生活」に関する調査結果を紹介。サライ世代の食生活事情を深掘りしてみよう。
■家族全員で食事をする頻度
設問:あなたの家で朝食を夫や家族全員で一緒に食べる頻度を教えてください
「毎日」が42.9%、次いで、「ほとんど一緒に食べない」が同じく22.9%、「週に1~2回」が11.4%、という結果になった。
「毎日」「ほぼ毎日」で50.5%、「週の半分ぐらい」を加えると58.1%と半数以上となる結果を見ると、朝食は割と一緒に食べていると言えそうだ。反対に朝食をほとんど一緒に食べない夫婦は2割以上となった。
設問:あなたの家で夕食を夫や家族全員で一緒に食べる頻度を教えてください。
「毎日」が47.6%、次いで「ほぼ毎日」が26.7%、「週の半分ぐらい」「ほとんど一緒に食べない」が同じく8.6%という結果になった。
「毎日」「ほぼ毎日」を74.3%となり、前回実施した共働き夫婦が家族で一緒に食事をする割合が51.8%となったことを考えると、多くのシニア夫婦がほぼ毎日一緒に夕食をとっていることがわかった。
■自分で料理をする頻度とその負担
設問:あなたが夕食を自分で料理する頻度を教えてください。
「毎日」が50.5%、次いで「ほぼ毎日」が33.0%、「週に3~4回」が7.8%となった。
「毎日」「ほぼ毎日」で8割超となることを考えると、ほとんどの方が夕食を自分(女性)で用意していると言えそうだ。
設問:あなたは料理の支度に負担を感じますか?
夕食の支度に負担を感じているかを、シニア夫婦に聞いたところ、「ある程度感じている」が51.5%、次いで「非常に感じている」が8.1%となり、「それほど感じていない」方は35.4%という結果になった。約6割が夕食の支度に負担を感じているようだ。
また、共働き夫婦に対するアンケート結果では、「ある程度感じている」「非常に感じている」を合わせると83.7%となったが、シニア夫婦の女性は、それほど負担とは考えていないようだ。
■外食の頻度やお弁当・テイクアウト類の利用頻度
設問:夫婦で外食する頻度を教えてください。
「月に数回程度」が26.7%、次いで「月に1回程度」が22.9%、「年に数回以下」が21.0%となった。
■週に3回以上外食する夫婦は全くいなかった。
設問:あなたの家では、夕食にお弁当やテイクアウト類の食事などを、どれくらいの頻度で利用していますか?
「たまにしか利用しない」が35.9%、次いで「ほとんど利用しない」が27.2%、「週に1~2回は利用している」が18.4%という結果となった。
お弁当やテイクアウト類の利用に関して頻繁にする夫婦は少数派のようだ。
■既製食品、外食、制限食等のお弁当について
以下は、既製食品、外食、制限食等のお弁当に関してのコメントの一部だ。
設問:既製食品や外食に関してあなたはどう思いますか?
・たまに利用するのは便利で有難く思う時もあるが、怠けてる様な罪悪感もあり利用頻度は少なめです。
・お惣菜は、味が濃いのであまり食べたくないし、外食は野菜が取りにくいので、たまにしか食べません。
・既製食品や外食はおいしいが、どんな材料が使われているかわからない。自分でつくった料理は、おいしくないかもしれないが、添加物や体に良くないものを使わないですみます。
・今は夫婦2人の生活になったので、外食回数が増えたが、子どもが小さい頃は手作りの食事を食べさせなくてはという義務感があった。
・出掛けた時には、外食は便利なのでいつも使っています。時々、車でご飯を食べるのですが、スーパーの既製食品を買っています。美味しい食品が増えているように思います。
・外食は、家族友人などと行くと楽しいし料理の勉強にもなる。デパ地下の既製のものはいいが、スーパーは躊躇する時がある。
・疲れた時、やりたくない時は迷わずそういうのを利用している。
・毎日の献立を考えるのも大変ですし家族の好みも違うので既製食品や外食に頼りたくなります。家族の時間とお金に余裕があるなら外食をもっと増やしたいくらいです。献立も味付けもマンネリになってきているのでそれでヒントをもらったり味付けを見習ったりしたいです。
設問:栄養を加味した冷凍弁当や塩分などを制限した制限食のお弁当に関してどう思いますか?
・体調壊したり家事が出来なくなったりしたときは有難いお弁当だと思います。
・高血圧症治療等の方が、手軽に利用したりすると良いと思う。
・なかなか自分では計算が出来ないので、いいと思う。
・体に良いけど高額のイメージがある。
・魅力を感じるが、金額が不安。
・今のところ家族の中で食品に関しての制限食は必要がないのですが、必要になった時にそういうものが手軽に食べられるのは良いと思います。あまり高いと二の足を踏むかもしれませんが、その時はメニューなど参考にはしたいと思います。
・栄養に配慮した弁当なら、具合が悪い時などに食べてもよいかもしれない。
・冷凍弁当というものを利用したことがなく、栄養を加味しているとしても、作りたてのお弁当と遜色ないレベルなのか疑問に思う。
・美味しく食べられるように工夫されていそうなので便利。
・塩分の制限が必要な家族がいるときには、一人分だけ別に作るのは大変なので利用するかもしれない。
今回の調査では、外食や既製食品に関しては、夫婦二人になってから増えたという方もいた。また、栄養を考えた塩分や糖質などの制限食に関しては、好意的な方が多かったが、価格が気になるとの声もあった。全体的に、たまに外食や既製食品を利用することは否定的ではないが、やはり自分で作る料理が良いと考えている人が多い傾向が見受けられた。
とはいえ、献立をイチから考えるのはなかなか大変である。最近はカット済みの肉や野菜、調味料など料理に必要な食材がまとめて届く“ミールキット”なども注目されているので、それらを利用してみるのもいいかもしれない。
文/鳥居優美