すぐ取り出したい大切なものをまとめて保管できる革製のカバー。大小異なるポケットが4つとペン差しが備えられ、持ち歩きに便利な大きさである。
作り手は革職人の尾前直之氏。これまで百余りの革製品を世に出してきたアイデアマンである。今回は、革になじみのない人にもさまざまな生活シーンで使っていただきたいとの思いから、旅ならパスポートや搭乗券、通院なら診察券や保険証、銀行の通帳もジャストサイズで入るポケットを考案した。
素材は、尾前氏がどうしても使いたいと調達した、イタリア製のバケッタ製法レザー。トスカーナ州の伝統技法で作られた希少な革で、化学薬品を一切使わない染色法による鮮やかな色彩と手触りのよさが特徴である。
「革には真鍮のブラシで磨き上げる『ギン擦り加工』が施されています。加工の際に塗ったオイルが革に徐々に染み込むため、使うほどに艶が生まれ、なめらかになります。面倒な手入れも不要で、扱いやすいです」と、尾前氏は語る。
出し入れが頻繁なことを考慮し、型崩れを防止するためにパーツごとに革の厚みをミリ単位で調整。さらに、丹念に人の手で革を摩擦する「手磨き」で、より丈夫な革に仕上げられている。まさに革の醍醐味が味わえる逸品だ。
【今日の逸品】
イタリアンレザーの通帳・お薬手帳カバー
ワーカービー
7,480円(消費税8%込み)