定年退職の年齢引き上げなど、高齢化社会と言われている現在に対応する会社もすくなくない。
総合転職エージェントの株式会社ワークポートが行った、全国の転職希望者とSNS利用者205人を対象とした、【定年退職】についてアンケート調査を見てみよう。
■「適切な定年退職の年齢は65歳」と考える人が46.3%
2013年「高年齢者雇用安定法」改正後、定年年齢は引き上げ傾向にあるが、今回 定年退職する年齢について何歳が適切だと思うか質問したところ、最も多かったのは「65歳」(46.3%)だった。次に「60歳」(22.0%)、「70歳」(17.6%)と続いた。
【65歳と答えた理由】
「年金受給開始の年齢なので」(40代・男性・営業)
「平均寿命が延びたため」(20代・女性・クリエイター)
「これから先、人手不足になるため」(30代・男性・公務員)
現在の年金制度や、日本の少子高齢化を懸念した意見が挙げられた。
【60歳と答えた理由】
「体力的な問題が出てくるから」(20代・男性・製造)
「元気があるうちにリタイヤして旅行などに行きたい」(30代・男性・システムエンジニア)
こちらは、体力面を懸念した理由と退職後のセカンドライフを重視する理由に大きく分かれた。
【70歳と答えた理由】
「高齢化社会で年金支給額が少ないと思われるため」(30代・男性・管理)
「最近70歳でも元気に働ける人が多いし、自分の時代でも70歳は問題なく働けると思うので」(30代・女性・管理)
こちらは年金制度の変化を予想した意見もあった。
適切な定年退職の年齢は、年金制度と60歳以降の健康状態が最大の関心事と見られる。
■「自分は70歳まで働く」と予想する人が27.8%で最多
自分は何歳まで働くと思うか、と質問したところ、「70歳」と答えた人が最も多く、27.8%だった。次に「65歳」が26.3%、「60歳」が20.0%となった。
【70歳と答えた理由】
「働かないと生活できなさそうだから」(20代・男性・機械系エンジニア)
「年金も貯金も十分ではないだろうから働くしかない」(40代・女性・管理)
経済状況の不安を理由にしたものが多くみられた。
定年退職の適切な年齢を65歳と考える意見が一番多かったことから、定年退職の理想と自分が働き続ける実際の年齢とでは、すでにギャップが生じていることが考えられる。
■約80%が「自分の老後に不安を感じている」最大の懸念点は経済状況
自分の老後(65歳以降の生活)に不安を感じるか質問したところ、81.5%が「はい」と回答。多くの人が既に、定年退職後の生活に不安を抱いているようだ。
【具体的な不安について】
「自由な時間ができてもお金に余裕がなさそう」(20代・女性・営業)
「本当に年金がもらえるのかどうかもわからない」(30代・男性・運輸、交通)
年金や生活費の確保といった経済状況を心配する理由がほとんどだった。
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いかがだっただろうか。高齢化社会、少子化の波はすぐそこまで来ている。今後の労働環境や働き方など、どのように変化していくのか、そして、どう対応していくのか。ひとりひとりが真剣に考える時代なのかもしれない。
ワークポート調べ https://www.workport.co.jp/
【調査概要】
・調査内容:定年退職について
・調査対象者:当社利用者とSNS利用者
・有効回答:205人
・調査期間:2019年1月30日~2月14日