料亭料理の発展とともに、魚の三枚おろし専用の出刃、刺身専用の柳刃、野菜専用の薄刃というふうに細分化してきた和包丁。その冴えわたる切れ味は今や世界中に轟いている。
しかし、これらの専用包丁は、家庭料理の場合、それほど活躍の出番があるわけではない。むしろ1本の使い慣れた万能型の包丁のほうが、はるかによい働きをするものだ。
そんな一本が、土佐打刃物で知られる高知県の鍛造所・トヨクニが作った「男の三徳包丁」だ。
機能は、肉、魚、野菜のいずれにも過不足なく使える三徳包丁。鎌型と呼ばれるタイプに属すが、形状も機能もやや出刃包丁寄り。
長さ10.5cmと小振りな刃ながら、しかしよい厚みと重みがあり、小ダイやサバ程度の魚なら三枚おろしからぶつ切りまで楽にできる。
峰の部分に刻み込まれたチェッカリングという溝は、鱗落とし用だ。キスやハゼのような小魚でも、切り刃の部分で鱗を落とし続けると鈍ってしまう。冴えた切れ味を守るためのちょっとした心遣いである。鋼は、研ぎやすさで定評のあるヤスキハガネ白紙2号を使用。砥石も付くのがうれしい。
商品名/男の三徳包丁
メーカー名/トヨクニ
価 格(消費税8%込み)/10,800円