
つきたての餅で干しあんずを包み、その上に餡をのせてさらに餅で包み込む。つまり、果実と餡の間に餅が入った二層構造が、この店の「あんず大福」だ。

「ドライフルーツは海外産のほうが、味がはっきりしています。なかでも、シャープで野性的な酸味がある南アフリカ産を主に用いています。餡と一緒に包むと、その持ち味がぼやけてしまうので、餅でガードしています」と、工場長の川島俊介さん(54歳)。
噛むたびに生まれるおいしさ
やや小ぶりの大福を、ひと口かじる。餅のわずかな塩気の次に、あんずのキュッとした酸味が広がり、つぶ餡の上品な甘さが追いかけてくる。それらが少しずつ混ざり合い、味が変化していくのがおもしろい。酸味が後を引き、ついもうひとつと手を伸ばしたくなる。
フルーツ大福の大定番「いちご大福」もあるが、こちらもまたほかに見ない2個包み。
「いちごと餡は一緒に包みます。いちごの水分が餡と混ざり、シュワッとした感じになるのが特徴です」と川島さん。ふたつの味を食べ比べるのもいいだろう。


住所:東京都渋谷区広尾1-9-20
電話:03・3441・1822
営業時間:10時〜17時30分(売り切れ次第閉店)
定休日:正月4日間
交通アクセス:東京メトロ日比谷線広尾駅より徒歩約8分
取材・文/永田さち子 撮影/湯浅立志
※この記事は『サライ』本誌2026年2月号より転載しました。












