浮世絵に描かれた「猫」をテーマにした企画展が、石川県七尾美術館で始まりました(〜9月25日まで)。
わが国において猫は、奈良時代に仏教の経典を食い荒らすネズミ退治のために中国から輸入したといわれ、「唐猫」と呼ばれました。平安時代には宮廷貴族のペットとして可愛がられ、次第に「日本猫」として定着し、やがて庶民の間でも広く飼われるようになり、江戸時代には浮世絵にも猫が登場するようになりました。
本展では、大の猫好きで“猫の浮世絵師”と呼ばれた歌川国芳をはじめ、広重、国貞、豊国、英泉ら、江戸・明治に活躍した名だたる浮世絵師たちが手掛けた猫の絵を、7つのテーマで紹介します。
本展の見どころを、七尾美術館・学芸員の北原洋子さんにうかがいました。
「世は空前の“猫ブーム”。今や猫は私たちにとって大切な家族であり、癒しの存在ですが、浮世絵師たちも、彼らの可愛くも自由気ままな姿に魅せられ、多くの猫を描きました。
七尾美術館では歌川国芳を中心に、『可愛い!』『怖い!』『面白い!』と、多様な猫の浮世絵200点を一堂に展観します。
また、ぬり絵、癒しのねこ広場(猫写真持参)、かお出し撮影コーニャーや、日時限定特別イベントも開催。猫を好きでない方も、猫たちをとおして江戸庶民の活気あふれる生活をご覧いただけるとともに、女性の華やかな着物や帯のデザインや色彩を楽しむことができます。
皆さんのご来館を待ってるニャン」
猫好きはもちろん、浮世絵愛好家も必見の展覧会。ぜひ足をお運びください。
石川県七尾美術館のサイトはこちら
【ニャンダフル!浮世絵ねこの世界展】
■会期/2016年8月5日(金)~9月25日(日)
■会場/石川県七尾美術館 第1・2・3展示室
■住所/石川県七尾市小丸山台1-1
■電話番号/0767・53・1500
■料金/一般800(700)円 大高生350(300)円 ( )内は20名以上の団体料金 ※中学生以下無料
■開館時間/9時から17時まで(入館は16時30分まで)
■休館日/9月5日(月)、12日(月)、20日(火)※8月中は無休
■アクセス/JR七尾駅より徒歩約20分、七尾駅前「ミナ・クル」バス停より市内循環バス「まりん号」で「七尾美術館前」下車
取材・文/池田充枝
1989年「サライ」