写真・文/矢崎海里
外国産も多く出回っているにんにくですが、5月~7月に旬を迎える野菜です。
香味野菜として知られており、香り豊かで食欲をそそるにんにく。
旬の今は質のよい国産も多く流通しています。
今回はにんにくを使ったレシピを2品ご紹介します。
にんにくの栄養を逃さない調理ポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
きゅうりのにんにく葱だれがけ
【材料】(1人分)
きゅうり 1/2本
長葱 5cm
にんにく 1かけ
赤唐辛子 少々
いりごま お好みで
鶏がらスープの素(顆粒) 小さじ1/4
ごま油 大さじ1
【作り方】
1.きゅうりは袋に入れ麺棒やコップの裏などで叩き割る。ある程度割れ目ができたら手で食べやすい大きさに割り、いりごまと和える。
2.長葱、にんにくはみじん切りに、赤唐辛子は種を取り輪切りにする。
3.鍋に2と鶏がらスープの素、ごま油を入れ、弱火で加熱する。長葱やにんにくの色が変わり、香りが出たら火を止める。
4.きゅうりの上から3をかけ、完成。
にんにくだけではなく、長葱の香りや香ばしさ、赤唐辛子のほのかな辛味を生かしたタレは、一手間かけて加熱するのがポイントです。
ごま油の香ばしさも引き立ち、熱いうちにきゅうりと和えることで味をなじませます。
また、きゅうりは包丁で切らず叩き割ることで、繊維を壊し、味を染み込みやすくしています。
にんにくには「アリシン」という成分が豊富に含まれているのが特徴です。
アリシンは抗菌・殺菌作用があるほか、ビタミンB1と結合することで吸収を高め、疲労回復にはたらきます。
このような作用から、豚肉とにんにくは相性がよい、にんにくはスタミナ食材といわれています。
アリシンは油と合わせることで吸収率アップ。
ゆっくり弱火することで匂いを抑えることができます。
また、アリシンは空気中に逃げていってしまう成分なので、なるべく手早く調理しましょう。
食塩相当量:0.3g
ポークソテーシャリアピンソース
【材料】(1人分)
豚ロース 100g
胡椒 少々
小麦粉 大さじ1/2
オリーブオイル 小さじ1
玉葱 1/4個
にんにく 1かけ
★酒 大さじ1
★砂糖 小さじ1/2
★醤油 小さじ1/2
★胡椒 少々
★有塩バター 5g
【作り方】
1.玉葱はみじん切りに、にんにくはすりおろす。
2.鍋に1を入れ、弱火で炒める。色が変わったら★の調味料を入れ、バターを溶かしソースを作る。
3.豚肉は筋に包丁を入れ、胡椒を振り、小麦粉を両面にはたく。フライパンにオリーブオイルを熱し、ふたをし弱火で両面焼く。
4.豚肉に火が通ったら2のソースを入れ、絡める。うつわに盛りつけ、完成。
シャリアピンソースとは玉葱が主役のソースです。
炒めることで玉葱の甘みやにんにくの香りが引き立ち、バターのコクがポイントとなります。
肉料理と相性がよいので、豚肉以外にも幅広く活用できますよ。
にんにくに含まれるアリシンは、細胞を壊すことで活性化します。
そのためみじん切りやすりおろして使うのがおすすめです。
ただし、刺激が強いため、食べ過ぎは厳禁。
特に生にんにくは食べ過ぎると下痢などの症状を起こすため、注意しましょう。
食塩相当量:0.7g
* * *
油と相性のよいにんにくは、煮込み料理に使う際も、一度油で炒めてから使用することで吸収率をアップさせることができます。
ポイントを押さえて、賢く調理しましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。