小高い山に囲まれた盆地に瓦屋根の静かな町並みが広がる長崎県波佐見町。この地で400年以上にわたって作られてきたのが「波佐見焼」である。成形、型起こし、釉薬、窯焼きなどの作業工程をそれぞれのスペシャリストが分業で行ない、大量生産を実現。江戸時代まで高価だった磁器を、高品質かつ手頃な価格の大衆食器として世に普及させた立役者だ。近年はそのシンプルでモダンなデザインが人気を呼び、国内外から注目が高まっている。
波佐見焼の窯元「敏彩窯」は、優れた機能性と生き生きとした筆づかいの絵柄で広く支持を集める工房だ。「日常生活の中で自然と使いたくなる、楽しい食卓を演出する器作り」を信条とする同社が、「残ったご飯や冷めてしまったご飯を簡単に温め直せないか」と考案したのが、このおひつである。
「本品の最大の特徴は、蓋の裏側。釉薬をかけずに焼き締めて吸水性を持たせ、ご飯をレンジで加熱したときに発生する湯気を吸収するようにしました。この工夫によりご飯がベタベタせず、ふっくら温まります」と、社長の小林晴敏氏。使い手の暮らしにとことん寄り添った、優しい器に脱帽!
【今日の逸品】
波佐見焼のおひつ2色セット
敏彩窯
8,208円(消費税8%込み)