文/川口陽海
■腰が重い、痛む。
■足がだるい、痛い。
■病院に行くほどではないけど、いつも腰や脚に痛みがある。
■膝や股関節にも痛みが出ることがある。
そんな症状に悩んでいる方には、今回ご紹介するツボが効くかもしれません。
腰痛トレーニング研究所に来られる患者さんでこのツボをチェックしてみると、ほとんどの方に『強い反応』が出ます。
『強い反応』というのは、要するに『とっても痛い』ということです(笑)
しかしご安心ください。ただ単に痛いだけではなく、このツボをほぐした後はかなり腰や脚が楽になるのです。
「え?なんでこんなところがこんなに痛いの?」
「こんなところがこっているなんて全然気がつかなかった!」
「こんなところのツボで腰が軽くなるなんてびっくり!」
というのが、このツボをはじめて刺激された時の大方の感想です。
腰痛・坐骨神経痛に効くツボは意外なところにある
それは足の内側、踵の前あたりです。
上の画像の★マークのあたりです。
試しに指で押してみてください。
腰や脚に痛みがある方は、押すと結構痛みを感じるかもしれません。
しかし、痛いけれど効く感じや痛気持ちいい感じもあるのではないでしょうか?
筆者はこのツボを【足内側(あしないそく)ポイント】と呼んでいます。
【足内側ポイント】のほぐし方
このポイントをほぐし、刺激するには、親指で指圧のように押すだけでも効果がありますが、腰痛トレーニング研究所では、いわゆる青竹や足つぼグッズなどで刺激することをおすすめしています。
足つぼグッズにも様々なものがありますが、筆者が一番おすすめなのは、実は【麺棒】です。
これは【お菓子作り用麺棒】なのですが、今まで試した中では最も使い勝手が良く、効くんです。
麺棒を【足内側ポイント】に当たるように踏んづけたり、足の裏全体をコロコロと転がすように刺激したりしても良いでしょう。
はじめはかなり痛みを感じると思いますので、短時間でも良いです。
毎日続けることで痛みが軽減してきて、それにともなって腰や脚も楽になってくると思います。
【お菓子作り用麺棒】は100均ショップなどで買えますので、ぜひ探してみてください。
【足内側ポイント】を刺激することで、逆に痛みやしびれが増したり、不快感を感じたりする場合もあります。
そのような場合は速やかに中止してください。
足の筋肉・筋膜の緊張が腰を緊張させ、痛みの原因になる
筋肉は筋膜という膜に包まれています。
筋肉・筋膜は隣り合ったり重なり合ったり、関節をまたいだりしてつながっていきます。
例えば【足内側ポイント】の筋肉・筋膜は、下の図のように脚の様々な筋肉とつながり、腰や上半身までつながっていきます。
上の図のオレンジのラインが、【足内側ポイント】からの主な筋肉・筋膜のつながりです。
(1)【足内側ポイント】→アキレス腱→腓腹筋→ハムストリング(半腱様筋・大腿二頭筋)→殿筋群→腰
(2)【足内側ポイント】→アキレス腱→腓腹筋→内転筋群→殿筋群→腰
(3)【足内側ポイント】→アキレス腱→腓腹筋→膝をまわって→外側広筋・腸脛靭帯→大腿筋膜張筋→殿筋群
(4)【足内側ポイント】→アキレス腱→腓腹筋→膝をまわって→内側広筋・縫工筋→骨盤
このようなラインをたどって、腰や上半身までつながっていきます。
【足内側ポイント】には、足の指や足首を動かす筋肉や腱があります。
比較的小さな筋肉ですが、この部分の筋肉・筋膜・腱などが緊張すると、先ほどみたような筋膜のつながりをたどって、つながっている筋肉や筋膜も緊張し、こり固まっていきます。
そうして腰や殿部の筋肉・筋膜が緊張すると、腰に痛みがおこるのです。
【足内側ポイント】はなぜ効くのか?
このように足の末端の筋肉・筋膜の緊張が、つながりをたどって腰など遠くの部位に緊張や症状を及ぼすことがあります。
しかし逆に、足の末端【足内側ポイント】の筋肉・筋膜の緊張をゆるめると、腰の緊張もほぐれるということもあるのです。
これが【足内側ポイント】が腰痛に効く理由です。
筋肉や筋膜は全身につながり、バランスをとったり影響を及ぼしあったりします。
身体に回復力があれば大きな問題は起こりませんが、疲労が蓄積して回復力が落ちたり、過労や運動不足で筋肉がこり固まったりすると、痛みや不調の原因となります。
そのようになる前に、【足内側ポイント】をほぐして腰や脚の痛みを予防しましょう。
過去の記事でご紹介したストレッチなどもおこなうとより効果的です。
テニスボールで腰ほぐれる!5分でできる簡単ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第4回】
腰の片側の痛みを改善!自宅でできる簡単ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第5回】
ヘルニア・狭窄症|ストレッチで改善する座っている時の痛みやしびれ【川口陽海の腰痛改善教室 第8回】
ぜひご参考になさってください。
文・指導/川口陽海
厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616
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