文・写真/佐竹敦
散居村とは田園地帯が広がる広大な平野部の中に民家が隣り合うことなくポツンポツンとちりばめられたように点在している散村のことをいいます。
通常、集落は民家が隣り合って集まって構成されているものですが、民家が点在している散居村の景観にはきわめて独特なものがあります。
ちなみに岩手県の胆沢平野と富山県の砺波平野と島根県の出雲(簸川)平野が日本三大散居村と言われていますが、中でも富山県西部に位置する砺波平野の散居村は、屋敷林に囲まれた約1万戸もの農家が点在している、まさに日本を代表する散居景観です。
この砺波平野の散居村には、その景観を一望できる展望スポットがいくつもあり、眼下に視覚に収まり切らないほどにワイドで広大な砺波平野を一望することができます。
展望スポットは標高が400m以上のところにあるので、見下ろすと砺波平野が霧に包まれていることもあります。
さらに、田んぼに水が張られた時期から田植え直後でまだ稲が成長していない時期の夕暮れ時に訪ねると、夕日に照らされて田んぼが赤く染め上げられ、より一層幻想的な景観となります。
言葉にならない。思わず魅入ってしまう幻想的な景観です。
また、夕日が沈んで民家に明かりが灯される頃の夜景も見るべきものがあります。
このような絶景を目にすることができるのは、田植え前で田んぼに水が張られた時から、田植え直後で稲がまだ大きくなっていない時まで、と季節が限られています。ちょうどゴールデンウィークの時期ですので、連休中のお出掛け候補地としてチェックしてみてはいかがでしょうか?
文・写真/佐竹敦
日本全国の即身仏・一之宮・五重塔・三重塔・滝百選・棚田百選・国分寺跡をすべて訪ね歩いた一人旅の達人。テレビチャンピオン滝通選手権出場。主な著書に「この滝がすごい!」「日本の滝めぐり」等。テレビ東京の「厳選!いい宿ナビ」のコラム執筆、@nifty温泉の記事執筆等、ライターとしても各メディアで活躍中。