東海道新幹線の一車両の長さは約25m。全16両で400mあまりに達する。この約400mを舞台に乗客に飲食物などを提供するのが「車内販売」、いわゆるワゴン販売サービスだ。平成12年(2000)に食堂車が廃止されてから「車両の華」として乗客に親しまれるパーサーたちに話を聞いた。
平成8年入社の平島加津代さんは、パーサー一筋18年。現在はチーフパーサーを務めるベテランだ。
「車内販売の人気商品は今も以前と変わらずお弁当、お茶、コーヒー、サンドウィッチなどです。私の入社当時はつぶつぶ果汁缶ジュースが人気でした」
新幹線の種類により乗車するパーサーの数は異なるが、ひかり号の場合、パーサーは基本的に3名。11号車にある車内基地を起点に、ひとりは1号車方面に、もうひとりは16号車方面にワゴンを押しながら向かう。両者の販売状況を見極めながら、フォローの指示を出すのがチーフパーサーだ。
↑緊密に行なわれる新幹線乗車前のミーティング。チーフパーサーの平島加津代さん(左)の指示を確認するのは、シニアパーサーの小川美季さんとアシスタントパーサーの高橋美咲さん。