文/鈴木拓也
コロナ禍の頃から、「免疫力を高める」をテーマにした記事・報道をよく目にするようになった。
免疫力とは、ウイルスやがん細胞といった有害な「異物」を身体から排除する能力を指す。その力が高まれば、重篤な感染症やがんにかかる可能性を減らせるということで、よく話題になっている。
免疫力を高める方法はいくつか提唱されているが、今回紹介するのは、「いのちの野菜スープ」。考案したのは、免疫栄養学の創始者として知られる高橋弘院長(麻布医院)だ。
高橋院長は、新著『ハーバード大学式 免疫力を養う いのちの野菜スープ 実践レシピ』(世界文化社 https://books.sekaibunka.com/book/b10123644.html)のなかで、免疫の仕組みとともに、そのスープについて詳しく解説している。
今回は、本書の内容の一部を紹介しよう。
4種類の野菜を煮込むだけ
「いのちの野菜スープ」は、身近な野菜を煮込んで作るスープ。具材に豊富に含まれているファイトケミカルや水溶性食物繊維が、免疫細胞(白血球)を活性化させ、また免疫の暴走も抑制してくれるという。
食材は、キャベツ、にんじん、玉ねぎ、かぼちゃの4種類。各々100gをカットして、鍋に投入。1Lの水を注ぎ、ふたをして弱火で20分煮込むだけ。調理の細かいコツは割愛するが、実にお手軽。

基本的に、スープは毎日飲み、具材も食べる。目安は毎朝200mlを1~2杯。メタボリック症候群やがんなどで病気治療中であれば、分量を適宜増やす。スープは作り置きして、冷蔵庫で保存しておいてもOKで、夏場なら冷たいままで飲んでもいい。
おいしいアレンジレシピも豊富
「いのちの野菜スープ」は、塩も加えない淡白な味わいだが、毎日摂っているうちに飽きてくるかもしれない。
その対策として、いくつかのアレンジレシピも掲載されている。
例えば、カレー粉、すりごま、青じそといったスパイスや薬味を一品加える。あるいは、セロリやトマトなどの野菜を100g追加するのもいい。具は4種類のままで、かぼちゃをじゃがいもに、キャベツを小松菜に置き換えるアイディアもある。
野菜が主体だが、肉・魚はダメというわけではなく、そうしたレシピもいくつかある。以下は、鮭を加えたバージョンだ。

【材料(2人分)】
・基本スープ(具材とも)……1/2量
・生鮭……2切れ
・塩、こしょう……各少々
・サラダ油……大さじ1/2
・細ねぎ(小口切り)……適量
【作り方】
1. 生鮭は塩、こしょうをふって10分おき、水気をふく。フライパンに油をひき、両面焼き色をつける。
2. 基本スープに1.を入れてサッと加熱し、器に盛って細ねぎを添える。
ボリュームある食事にも活用可能
高橋院長は、「いのちの野菜スープ」を20年以上、毎日飲み続けているという。
もちろん毎日こればかりというわけではなく、しっかりした食事も摂っている。その場合も、このスープを活用しているそうだ。以下の「野菜たっぷりラーメン」は、その一例。

でき上がった「野菜たっぷりラーメン」(本書106pより)
【材料(2人分)】
・市販生ラーメン……2食分
・「いのちの野菜スープ」……適量
・ゆで卵……1個
・もやし、生きくらげ、ほうれん草、海藻ミックス(乾燥)、長ねぎ……各適量
【作り方】
1. もやし、生きくらげ、ほうれん草の順にサッとゆで、ざるに上げる。きくらげは細切り、ほうれん草は水気を絞って食べやすい長さに切る。海藻ミックスは水で戻して水気をきる。長ねぎは薄切りにする。
2. 生ラーメンは表示の通りにゆで、スープを表示の湯の量の「いのちの野菜スープ」で割る。
3. 2.に1.を盛り、半分に切ったゆで卵を添える。
本書の料理撮影:櫻井めぐみ
【今日の健康に良い1冊】
『ハーバード大学式 免疫力を養う いのちの野菜スープ 実践レシピ』

定価1760円
世界文化社
※高橋の「高」は正しくは「はしごだか」
文/鈴木拓也
老舗翻訳会社役員を退任後、フリーライターとなる。趣味は神社仏閣・秘境めぐりで、撮った写真をInstagram(https://www.instagram.com/happysuzuki/)に掲載している。
