はじめに-和泉式部はどのような人物だったのか
小倉百人一首「あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな」の作者・和泉式部(いずみしきぶ)。紫式部らとともに中宮・彰子に仕え、平安時代中期を代表する女流歌人の一人として知られています。恋多きスキャンダラスな女性、とのイメージもある和泉式部の実像は? 史実をベースに紐解いてみましょう。
2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』では、親王二人に愛された、恋多き華やかな女性であり、和歌には突出した才能を持つ、彰子の女房となる女性・あかね/和泉式部(演:泉 里香)として描かれます。
目次
はじめに-和泉式部はどのような人物だったのか
和泉式部が生きた時代
和泉式部の足跡と主な出来事
まとめ
和泉式部が生きた時代
円融天皇の時代に生まれ、花山(かざん)天皇を経て一条天皇の時代に歌人として花開いた和泉式部。和泉式部が出仕していた中宮・彰子のサロンには、『源氏物語』の作者としてすでに話題となっていた紫式部など優れた女流作家が集っていました。政治の権力を握っていたのは、左大臣・摂政の藤原道長。その道長が没した頃から、和泉式部の消息も途絶えています。
和泉式部の足跡と主な出来事
和泉式部の生没年は不詳ですが、円融朝(970年代)に生まれたとの説が有力です。波乱に富む和泉式部の生涯を主な出来事とともに辿りましょう。
【恋愛の顛末を記した『和泉式部日記』。次ページに続きます】