マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」が、ビジネスの最前線の問題を解説するシリーズ。

自身の職場が「ゆるブラック(職場環境が“ゆるい”あまり、働き甲斐を得られない、またはモチベーションを保てないという状態)」だと思っている会社員は約4割いることが、識学の調査(2024年4月12日~4月13日、20歳~59歳の会社員を対象に調査)でわかりました。その内訳は、性年代別での差はほとんどなく、どんな性別や世代でも4割近くの方が感じているようです。

ゆるブラックな職場に共通するたった3つのこと【1:評価制度が曖昧、2:ルールが曖昧、3:求める基準(果たすべき責任)が曖昧】とは一体どういうことか、また、どのように解決するのか、お答えいたします。

「ゆるブラック」とは?

「ゆるブラック」とは、残業や厳しいノルマなどはなく、働きやすさはあるものの自分の成長やスキルアップが見込めない職場です。加えて、どういった点がゆるブラックだと感じるかについては「収入が増えない」が67.0%と最も高く、「やりがいを感じられない」44.0%、「昇級できない・しづらい」43.0%と続きました。

ゆるブラックを改善するには

改善するにはどうすればよいかについて聞いたところ、最も多かったのは「福利厚生の充実」31.3%で、「明確な評価制度」30.7%、「キャリアアップが見込める」29.0%と続きました。そしてその「評価制度」について、「評価制度」があると回答したのは55.0%で、その内「評価制度」に納得していない方は66.1%にものぼりました。

参考:“ゆるブラック”に関する調査 
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000110.000029010.html

働きやすさ・働きがいとは?

「働きやすさ」には、人間関係や労働条件などの外部環境が密接に関係します。つまり、働くために、不安、不満、心配などがない状態、「衛生要因」が大切です。

そのため、心理的安全性(正しく評価されないと不満が出ない)を高めるために「明確な評価制度」を整え、空気を読ませて人間関係で悩ませないように、「明確なルール」を整える、ことで不満を取り除くことが必要です。

働きがいとは、仕事を通して得られる満足度です。つまり、働くことを通じて、意義や意味を感じるなど、個人がポジティブな報酬を受ける状態、「動機付け要因」です。

そのため、「キャリア安全性(キャリアアップ、スキルアップ、会社の成長を実感)」を高めて不安を取り除くため、「求める基準(果たすべき責任)を明確」にし、正しく評価して、成長を実感させることが必要です。

求める基準(果たすべき責任)が曖昧な組織

自己解釈で動くためムダ働きの可能性も高くなります。また、何をやっていいか分からず、思考停止になり、言われたことしかしなくなります。しかも、中間管理職も「責任が曖昧=権限も曖昧」になり、どこまで自分で決定できるのか分からず意思決定できず、トップに意思決定が集中します。その結果、やたら忙しい上司と成長しない部下がセットで誕生します。

求める基準(果たすべき責任)が明確な組織

ドラッカーは、働きがいについて次のように述べています。

 働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。 そのためには、①生産的な仕事、②フィードバック情報、③継続学習が不可欠である。

『マネジメント[エッセンシャル版]基本と原則』(ダイヤモンド社)
著/ピーター・F・ドラッカー 翻訳/上田 惇生

そのためには、「大きな責任(3か月=KGIで評価・査定)」と「小さな責任(1週間=KPIで管理)」のマネジメントが必要です。「働きがい(達成感、成長感)」は、責任の達成プロセスによって派生します。

また、給与は会社に対する対価(果たすべき責任の大きさ)に比例するため、公平に評価できます。

「会社が求める役割を各々が果たすプロセスモチベーションがアップ⇒会社の業績アップ⇒継続的な賃上げ⇒人材定着と確保」が実現できます。

組織は一般的に、2(優秀):6(平均的):2(貢献度の低い)で成り立ってると言われています。1つ注意点として、評価項目だけを設定(例えば、3か月後までに売上1000万よろしく!)して放置すると、優秀な2割は達成できますが、8割の社員は途中で言い訳を持って止まったりするので、週次管理がポイントです。

ポイントは目標設定と週次会議

目標設定のポイント

(1)定量目標(数値化可能)

例えば、KGI(例、売上1000万/3か月)を設定します。次に、KPI(例、訪問5件/週)を設定して、1週間単位で数値管理します。

(2)定性目標(数値化不可能)

例えば、KGI(例、部長承認が得られる企画書を作成)を設定します。次に、3か月のスケジュールを作成させて、1週間単位でタスク管理します。

週次会議のポイント

1つめのポイントは、目標と結果の不足を明確にして、自責で捉えさせて、上司が部下の言い訳を取り除くため「何が足りないの?(時間、人数、スキルなど)、「何があればできる?(言い訳を消してあげるには?)」を丁寧に行うことです。

2つめは、自分で決められない場合は、上司に権限上申をして、部下の言い訳を取ることに集中することです。このコミュニケーションが上司と部下の心理的安全性を実現して、真の信頼関係を構築します。

まとめ

・「働きやすさ」は、(1)明確な評価制度、(2)明確なルールを整備し、心理的安全性を高める。
・「働きがい」は、(3)求める基準=果たすべき責任を明確にし、キャリア安全性を高める。
・「果たすべき大きな責任(3か月=KGI)」は査定し、「果たすべき小さな責任(1週間=KPI)」は管理する。
・管理とは「何が足りないの?」、「何があればできる?」である。

識学総研:https://souken.shikigaku.jp
株式会社識学:https://corp.shikigaku.jp/

 

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