30~40代のプレ更年期や、40~50代の更年期の女性は「なんとなくの不調」「ちょっとした違和感」を抱くことが多くなります。ミドル世代の女性の多くが、ひそかに悩んでいるのは「加齢臭」です。
実は、この悩みにも漢方薬が役立つことをご存知でしたか?
私の悩みにも漢方薬が役立つのか知りたい! 根本解消する方法が知りたい!
そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
今回は「女性の加齢臭」の原因や対処法について、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の開発研究に携わる碇純子さんに教えてもらいました。
まさか「ニオイ」で嫌われていたなんて……
佳恵さん50歳女性の方からご相談をいただきました。
「最近とてもショックなことがあって落ち込んでいます。
私は事務の仕事をしているのですが、向かいの席で仕事をしている若い女の子の社員が、私の『臭い』がきついと同僚に話しているのを聞いてしまったんです。
『ちょっと油っぽくて生臭いような……独特な臭いがする。佳恵さんは悪い人じゃないけど、向かいのデスクに1日中座っているのがつらい』
そう言っていました。
自分が不快な臭いを発していたなんてショックです。
すぐに対策をと焦りますが、何をどうすればいいかわかりません。
これは、いわゆる加齢臭でしょうか?」
ご相談ありがとうございます。ご相談者の佳恵さんがおっしゃるとおり、更年期女性特有の「加齢臭」かもしれません。
加齢臭は自分でも気づきにくいうえに、周囲への影響や反応が気になるという点でもつらい悩みですよね。
しかし、加齢臭の原因をしっかり把握して対処することで、緩和できる場合もあります。
まずは、女性の加齢臭の特徴や原因を知り、対策方法を考えていきましょう。
女性の加齢臭の特徴と原因
まずは、女性の加齢臭の特徴と原因についてみていきましょう。
1.女性の加齢臭の特徴
加齢臭は男性だけではなく、女性からも生じます。
加齢臭は、だいたい男女ともに40~50代くらいになると出始め、とくに、女性は更年期を迎えると加齢臭を自覚するといわれています。
加齢臭は「枯れ葉」「青臭い油」「古い畳」と形容される独特なニオイで、頭や耳周り、わきの下、背中、お腹など、主に皮脂腺の多い上半身から発生します。
女性の場合、下着による蒸れで胸元からもニオイが発生しやすくなります。
2.女性の加齢臭の原因
加齢臭はノネナールという物質が原因で発生します。
皮脂に含まれている脂肪酸が酸化して、不快なニオイの原因になります。
本来、女性ホルモンは皮脂の分泌や酸化を抑えるはたらきがありますが、更年期を迎えた女性は、女性ホルモンの分泌量が低下し、男性ホルモンが少しずつ優位に。
女性ホルモンが減少すると加齢臭が発生しやすい状況が整い、ニオイの原因になります。
また、若い女性には「ラクトンC10/ラクトンC11」という特有の成分が存在し、体臭を打ち消す効果があるといわれていますが、年齢とともに分泌が低下し、30代頃には急減すると考えられています(※1)。
3つの加齢臭対策
続いて、今日から簡単に実践できる加齢臭対策方法を3つご紹介します。
1.体や衣類のケア方法を見直す
お風呂で体を洗う際に、肌を必要以上に擦ると、皮膚の常在菌のバランスが崩れ、皮脂の分泌が多くなってしまい、体臭の原因になります。
強く擦りすぎず、優しく洗いましょう。
そして、見逃しがちなのが口臭ケアです。
更年期世代の女性は、唾液量が減り口の中がカラカラに渇く「ドライマウス」になりがちで、口臭も発生しやすくなっています。
歯磨きは朝起きたときだけではなく、朝昼晩の食事のあとにも行いましょう。
さらに、衣類のケアも忘れずに。
加齢臭は衣服の繊維に染み込みやすいので、普通に洗濯してもニオイが残ってしまいます。ニオイが目立つ場合は、40度くらいのお湯と弱アルカリ性洗剤でつけ置き洗いしましょう。
ニオイ物質は主に酸性なので、弱アルカリ性洗剤なら中和できます。
2.食生活や生活習慣を見直す
抗酸化作用のある「ビタミンA」「ビタミンC」「ビタミンE」を意識し、積極的に摂取しましょう。主な食材をご紹介します。
<ビタミンA>
・レバー
・ニンジン
・ホウレンソウ
<ビタミンC>
・レモン
・芽キャベツ
・キウイフルーツ
<ビタミンE>
・ゴマ
・アーモンド
・ピーナッツ
また、動物性脂質の多い食べ物は皮脂腺が刺激され皮脂の分泌が増える原因になるので、肉類やチーズ、バター、チョコレートなどの過剰摂取は控えましょう。
また、規則正しい生活を送ることも加齢臭を抑えるコツ。
喫煙を控える、適度に運動をするといった健康的生活を心がけると、体臭も目立ちにくくなります。
3.漢方薬を飲む
加齢臭の緩和には漢方薬もおすすめです。
漢方薬は、植物や鉱物といった自然由来の原料でできています。
また、漢方薬は、体質改善が得意分野です。体臭の緩和だけでなく、体臭が生じにくい体をめざすこともできます。
生活習慣や食生活を急に変えるのが面倒な場合でも、漢方薬なら毎日決まった時間に飲むだけなので、お手軽です。
漢方薬で加齢臭の緩和をめざす場合、「水分バランスを調整して過剰な汗を抑える」「自律神経を整えてストレスや緊張による発汗をやわらげる」「自律神経のコントロールを整えストレスを軽減する」「老廃物を排出する」といったはたらきを持つ漢方薬を選択しましょう。
加齢臭対策におすすめの漢方薬
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):色白でぽっちゃりタイプの方におすすめです。体の水分バランスを整え、余分な水分を排出し、汗やむくみを解消します。
・柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう):口の中が渇き、上半身がのぼせ脚が冷える方に適しています。体の余分な熱を冷まして、寝汗や頭部の発汗などに働きかけます。
漢方薬は、体質との相性も重要です。体質に合っている漢方薬を使わないと、本来の効き目が出なかったり、副作用が起こったりします。
必ず医師や薬剤師の指導のもと、服用してください。
気軽に漢方薬を使いたい方にはスマホ1台で簡単に利用できる「あんしん漢方」がおすすめです。
体質診断、漢方薬の購入、アフターフォローまですべてネット上のやり取りで完結します。初回はお得なお試し価格で購入することもできます。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0197
日常的なケアで加齢臭を抑えましょう
加齢臭は、男性だけでなく女性にも発生するニオイです。
40〜50代頃から目立ち始め、ノネナールという成分がもとで嫌なニオイを放ちます。
お風呂、衣服、食生活など、身の回りに気を配ってニオイにくい体をめざしましょう。
さて、次回は「貧血を伴う倦怠感に試してみたい『十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)』」です。ぜひご覧ください!
<この記事を書いた人>
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0197
【参考】
(※1)「女性の『若い頃のニオイ』を解明!『若い頃の甘いニオイ』の正体は『ラクトンC10/ラクトンC11』」ロート製薬株式会社 https://www.rohto.co.jp/research/researchNews/technologyrelease/2018/0214_01