多くの方にとって、年賀状といえば新年のご挨拶とともに、近況を知らせる役割を兼ねるものです。過去に、入学や結婚など、家族のおめでたい報告が記された年賀状を受け取った方も多いでしょう。我が子が結婚したなら、是非そのことを年賀状に記したいと思うのは自然なことです。

近頃は、我が子の結婚報告や結婚式に参加いただいたお礼を、SNS等で済ませる方が増加傾向にあります。しかし、デジタルが身近な時代だからこそ、あえてアナログな「結婚報告ハガキを兼ねた年賀状」を送るのもおすすめです。受け取った方は、きっと温かい気持ちになるでしょう。

「結婚報告ハガキを兼ねた年賀状は、新郎新婦に任せておけば良いのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、相手によっては、親からもハガキを出した方が良いパターンもあります。

本記事では、結婚報告ハガキを兼ねる年賀状について、例文や注意点をまじえてご紹介します。

目次
結婚式後に出す年賀状の役割
親が書くハガキの相手別例文
結婚報告ハガキを兼ねる年賀状の注意点
最後に

結婚式後に出す年賀状の役割

親と新郎新婦にとって、結婚式後に出す年賀状は、単に新年の挨拶だけするものではありません。結婚式に参加いただいた感謝や、新しい住所を詳しく知らせることができたりと、いわば「結婚報告ハガキ」を兼ねるものになります。特に目上の方には、メールや電話でなくあえてハガキを出すことで、「きちんとしている」という好印象を与えることができるでしょう。

身内だけの少人数婚や、海外挙式でゲストを招待できなかった場合、挙式の様子を撮影した写真をハガキに載せると喜ばれそうです。結婚式を挙げていない場合でも、二人の写真をハガキに載せることで、パートナーがどんな人なのかを相手に知らせることができます。

結婚報告ハガキを出すことは、単に「結婚しました」という報告だけでなく、「これからもよろしくお願いします」という挨拶の役割も兼ねているのです。

近年は結婚報告ハガキと年賀状の併用が主流

元々、結婚報告ハガキは「無事結婚したことを知らせるもの」として、年賀状とは別物と認識されていました。しかし、いつからか年賀状と兼ねるスタイルが定着しつつあるのが現状です。

中には「年賀状も結婚報告ハガキも送るつもりはない」と考える新郎新婦もいます。しかし、親戚や目上の方にだけでも出すよう、親としてアドバイスすることも大切かもしれません。お互いの考えが異なることもあるので、子どもと相談しておくと良いでしょう。

送る相手

結婚報告ハガキを兼ねる年賀状は、新郎新婦から送るのが基本です。しかし、親の方が付き合いが深い場合や、結婚式にお越しいただいたり、お祝いをいただいた方には、お礼の意味を込めて親から送ると丁寧な印象を与えます。

結婚報告ハガキを兼ねた年賀状を送る相手は、一般的には以下の通りです。

・結婚式を挙げた場合:基本的に、出席してくれた方全員に書きます。

・結婚式を挙げない場合:親戚、会社の上司・同僚、友人、今後もお付き合いをしたい方に幅広く送ります。

親から結婚報告ハガキ兼の年賀状を出す場合、「結婚式に出席してくれた親戚・知人」または「お祝いをいただいた親戚・知人」に送りましょう。結婚報告ハガキは「結婚式や入籍の後1~3か月以内」に送るのが基本とされています。しかし、年賀状と兼ねる場合は、期限にこだわらなくても問題ありません。

親が書くハガキの相手別例文

親が作成する結婚報告ハガキは、

・結婚式に出席いただいたお礼
・結婚式で感じたことや子どもへの想い
・今後のお付き合いのお願い

の順番に構成すると、相手も読みやすくなります。年賀状なので、長々と書かずシンプルにまとめましょう。デザインは、落ち着いたテイストのものがおすすめです。

写真入りの年賀状にしたい場合、子どもだけでなく、親も一緒に映っている写真を選びましょう。我が子とはいえ、結婚したら別世帯になります。子どもだけの写真だと、年賀状を受け取った相手によっては違和感を持たれる可能性があるので、注意しましょう。

ここでは、親から結婚報告ハガキを出す相手別に、例文をご紹介します。

式に出席した親戚・知人への例文

「あけましておめでとうございます

先日はご多忙の中 結婚式にご出席いただきありがとうございました 久しぶりに元気なお姿を拝見することができ 嬉しかったです

まだまだ未熟者の二人ではありますが これからも子どもたちをよろしくお願いします」

お祝いをくれた知人への例文

「新年あけましておめでとうございます

昨年は〇〇(子どもの名前)の結婚に際し 温かい祝福の言葉と多大なご配慮をいただき ありがとうございました

〇〇も大変喜んでおります 本年も変わらぬお付き合いをよろしくお願い申し上げます」

結婚報告ハガキを兼ねる年賀状の注意点

普段の年賀状とは異なり、結婚報告ハガキを兼ねる年賀状の場合、お祝いごとのマナーや相手との関係性を気にする必要があります。

ここでは、年賀状を書く際に気を付けたいポイントをご紹介します。

忌み言葉や句読点は避ける

結婚報告を兼ねる年賀状に限らず、基本的に結婚の場では「句読点」や「忌み言葉」はふさわしくないとされています。

句読点は「終わり」や「切れる」といったイメージがあり、忌み言葉は「別れる」など、不吉なことを連想させるものです。どちらも、結婚式に関連する場では使用を控えましょう。

年賀状で特に気を付けたいのが、前年のことを書く時です。「去年」と書きがちですが、去年には「去る」という文字が使われています。そのため、「昨年」や「旧年」と言い換えると良いでしょう。

中には否定的な意見も

少数派ではありますが、結婚報告ハガキをネガティブに捉える方も残念ながらいらっしゃるようです。実際、インターネットで「結婚報告ハガキ」と検索すると、否定的な意見もチラホラ存在しています。

結婚報告の年賀状を出す側としては、そんなつもりはありません。しかし、受け取った相手によっては、「お祝いを催促している」と捉えられてしまう可能性もあります。年賀状はその年で一番の出来事を載せることも多く、我が子の結婚は間違いなくビックイベントと言えるでしょう。

結局は、相手との関係性次第と言えそうです。結婚報告の年賀状を受け取り、否定的な印象を抱く人は、所詮はそれほどの仲ということではないでしょうか? そもそも、普段から年賀状だけのやり取りしかない相手には、出さなくても良さそうです。

できるだけ手書きのメッセージを添えて

年賀状のメッセージは、印刷された文字だけでも問題ありません。しかし、できるだけ手書きのメッセージを書くことで、相手に丁寧な印象を与えます。

中には、印刷されたメッセージだけだと「気持ちがこもっていない」と捉える人もいるかもしれません。せっかく一人ひとりに出すのなら、温かみのある手書きのメッセージを添えましょう。きっと喜んでいただけるはずです。

最後に

年々、世代を問わずハガキや年賀状を送る習慣は減りつつあります。結婚式の招待状でさえ、WEB上のものに変化してきているのです。親が結婚報告ハガキとして年賀状を出さなくても、マナー違反にはなりません。しかし、ちょっとした心遣いを見せることが、今後の良好な人間関係に役立つこともあるでしょう。

手軽にSNSで繋がれる時代だからこそ、結婚報告ハガキを兼ねた年賀状をおくることは、より気持ちが伝わる手段と言えます。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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