我が子の結婚式が決まれば、最近の披露宴はどのようなスタイルが主流なのか、気になる方も多いのではないでしょうか?
以前の披露宴は新郎新婦が主体で「新郎新婦のお披露目の場」という印象が強く、派手な演出や豪華なお色直しが行なわれていました。しかし、最近の披露宴は「来てくれたゲストをもてなす」ことに重きを置く傾向にあります。
披露宴では、「親は単に出席するだけで終わり」ではありません。「新郎新婦のサポート」や「ゲストへお礼の挨拶回り」など、親として何かと重要な役割もあるので、披露宴の全体の流れは把握しておく必要があります。
ここでは、披露宴の流れや人気の演出、注意点などをご紹介します。
目次
披露宴とは
披露宴の流れ
披露宴の人気演出
披露宴での親の役割
最後に
披露宴とは
「披露宴」とは、挙式後に行なわれる、家族や友人、職場の方など普段お世話になっている人たちを招いて感謝を伝えるパーティーのこと。ほとんどは、挙式の後に行なわれるもので、お互いのパートナーをゲストに披露する場でもあります。パーティーの内容は、料理やお酒、引き出物や演出などを盛り込み、全員が楽しんで頂けるようおもてなしするのが一般的です。
披露宴の所要時間は、会場にもよりますが一般的に「2~3時間」程度。最近では、お色直しを2、3回する方は少ない印象ですが、お色直しの回数が増えると多少時間は長くなることもあるようです。
地域差は多少ありますが、一般的に披露宴ではゲストからご祝儀を頂くのが定番。海外で挙式を済ませ、披露宴だけ国内で開催されるパターンもあります。このような披露宴のスタイルでは、「ご祝儀」ではなく「会費制」を取り入れていることも珍しくありません。
ここでは、披露宴の流れや人気の演出、注意点をご紹介します。
披露宴の流れ
親は、披露宴でのスピーチの際、基本的に新郎新婦と共に起立するのがマナー。スピーチされる側が「どうぞお座りください」と促してくれた場合、着席して傾聴しても問題ありません。スピーチの最後は再び起立し、お礼をします。
披露宴会場によって多少の違いはありますが、ここでは大まかな披露宴の流れをご紹介します。
前半の流れ
・ゲスト入場
新郎新婦が入場するまで、ゲストはそれぞれ自分の席で待機するのが一般的。この間にメニュー表や新郎新婦のプロフィールが書かれた「プロフィールブック」を読んだりして過ごします。
会場によっては、「ゲストを待たせないように」との配慮から、先に食事がサーブされるところもあるようです。
・新郎新婦入場
新郎新婦の入場に合わせてオープニングムービーや音楽がかかり、盛り上がるポイント。拍手で出迎えましょう。
・主賓挨拶
主賓挨拶は新郎新婦両方、もしくはどちらか片方のみのパターンもあります。中には、このまま乾杯の挨拶に移ることも。
挙式後に、敷地内の庭や別の場所で「セレモニー」がある場合もあります。その場合、披露宴会場ではなく、セレモニーが開催されている場所で「主賓挨拶・乾杯・ケーキ入刀」まで行なわれるケースが多いようです。
・乾杯
乾杯用のシャンパンが配られ、盛り上がる音楽に合わせて乾杯します。
・ケーキ入刀
ゲストの前でウエディングケーキに入刀します。定番は「新郎新婦がお互いに食べさせあう」スタイルです。しかし、最近ではお世話になった人へ新郎新婦が食べさせる「サンクスバイト」や、両親にしてもらう「お手本バイト」など、ゲスト参加型のものを取り入れる方が多い傾向にあります。
・歓談タイム
食事を楽しんだり、新郎新婦のいる高砂で写真撮影を楽しむ時間です。
後半の流れ
・新婦中座
一般的に、新婦の方がお色直しに時間がかかることから、新婦が先に退場することがほとんどです。二人が退場した後は、そのまま歓談や新郎新婦の歩みが記録されたプロフィールムービーなどが上映される場合が多いです。
・再入場とテーブルラウンド
衣装新たに新郎新婦が揃って入場します。高砂には戻らず、そのままゲストのテーブルを回って挨拶や記念撮影、キャンドルサービスなどの演出を行なうことが多いです。
・ゲストのスピーチや余興
内容にもよりますが、持ち時間は5分程度が目安。新郎新婦それぞれの友人がスピーチすることもあれば、時間配分の関係で新婦友人のスピーチのみのスタイルも多い印象です。
・新婦の手紙
新婦が、自分の両親へ向けて手紙を読む感動の演出です。稀に、新郎から両親への手紙演出もあります。
・両親への記念品贈呈
定番は、新郎新婦が自分の両親へそれぞれ渡すスタイルです。中には、新郎新婦がそれぞれパートナーの両親へ「これから宜しくお願いいたします」という気持ちを込めて渡すパターンもあります。
・両家代表謝辞
一般的には、両家を代表して「新郎の父親」がスピーチを行なうことが多いですが、例外もあります。
・新郎謝辞
ゲストに今日の感謝と「これからもよろしくお願いします」という気持ちを込めた新郎の挨拶で、披露宴を締めることが多いです。
・新郎新婦退場
新郎新婦と両親は一足先に退場して、ゲストのお見送りの準備に入ります。ゲストはその間、結婚式の一日をまとめた「エンディングロール」というムービーが上映されていることが多いので、それを見ながら披露宴を終えます。
・お見送り
新郎新婦と両家の両親が扉付近に並び、ゲストをお見送りします。一人一人にお礼を伝えたり、プチギフトを配るケースが多いです。ゲストの数が多ければ多いほど時間はかかるので、長蛇の列になる可能性も。時間配分には気を配る必要があります。
披露宴の人気演出
一昔前は、「新郎新婦がゴンドラに乗って登場」や「お色直しを数回行なう」など派手な演出が人気でした。しかし、披露宴での演出の最近の主流は、ゲスト参加型の「皆で楽しめること」に重きを置く傾向が高いです。これを軸に演出を考えていけば、全員で楽しめる披露宴となることでしょう。
お色直しのエスコート
以前は、新郎新婦揃って退場するケースが多かった、お色直し。近年のスタイルは、新郎新婦それぞれが大切な人を「エスコート役」に指名して、一緒に退場するスタイルが人気です。
新郎新婦の衣装チェンジの時間は、ゲストが歓談したり、トイレ休憩を取ったりと、ゲストも一息つける時間になります。「お色直しをする予定はない」とお考えの方でも、披露宴を間延びさせないために、お色直しを取り入れるのもいいかもしれません。
友人スピーチ・余興
「新婦友人のスピーチ」や数人の友人による「ダンス」や「ムービー」が会場を盛り上げる演出。それぞれ所要時間は5分程度が目安。友人たちを通して、新郎新婦の人柄が会場のゲストに伝わる、心温まる演出です。
両親への手紙
多くの場合、新婦から自分の両親への手紙が多い印象です。親も泣いてしまうシーンが多いので、ハンカチの用意を忘れずに。
両親へ記念品贈呈
両親への手紙の後は、新郎新婦から両親へ「感謝のしるし」として記念品を贈呈する演出が人気です。プレゼントは「花束」や「記念品」、「子育て感謝状」、「生まれた頃の体重と同じ重さのお米・ぬいぐるみ」などさまざまなものがあります。
披露宴での親の役割
披露宴では、親にも重要な役割があります。恥をかかないためにも、ポイントを押さえておきましょう。
親の挨拶回り
披露宴での親の役割には「挨拶回り」というものがあります。歓談時間に入ったら、タイミングを伺いつつゲストのテーブルを回って、日頃のお礼の挨拶をするものです。
厳密に言うと、「親の挨拶回り」は必須ではありません。しかし、普段子どもがお世話になっている人に、直接お礼を伝える貴重な機会なので、取り入れられてはいかがでしょうか?
披露宴会場によってプログラムに差があるため、歓談の適切なタイミングも異なります。事前に、プランナーからふさわしい挨拶のタイミングを教えてもらっておくと、安心できますね。
ゲストへ挨拶回りをするなら、スタッフの配膳サービスの邪魔にならないように配慮する必要があります。歓談の時間やゲスト全員に挨拶するため、なるべく一人の人と話過ぎないように注意しましょう。
また、主賓や乾杯の挨拶を依頼したゲストには、親からお礼として挨拶回りを兼ねて「お車代」を渡すケースもあります。ただし、「顔と名前が一致しない」や「間に合わなかった」など、渡せない可能性も。「お車代」は、受付時に担当者から渡してもらう方が確実で、おすすめです。
両家代表の挨拶
両家代表の挨拶は、新郎の父親によるものが一般的です。しかし、事情より様々なパターンがあります。
インターネット上では、「両家代表の挨拶がぐだぐだ過ぎて面白かった」と取り上げられているケースもあります。客観的に見ると確かに面白いのですが、いざ自分の立場となれば、やはりきちんと挨拶は締めたいもの。
両家挨拶は長くなりすぎないよう注意し、要点を押さえて「2、3分」でまとめるのがベストです。不安であれば、カンペを準備して読みながら挨拶しても問題ありません。
最後に
披露宴は、日頃子どもたちを見守ってくれている方たちへ感謝の気持ちを伝える場です。我が子、そしてゲストにとっても楽しめる素敵な披露宴となるよう、親としてもポイントを事前に確認しておくことが大切です。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/
構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
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