近頃は、結婚式を挙げないカップルも増加傾向にあります。入籍だけで済ます場合でも、親戚や知人から祝福され、ご祝儀をいただく機会は多いものです。

そのような場合、ご祝儀をいただいたら「内祝い」として、お礼するのがマナーといわれています。しかし、郵送の場合、品物だけを送れば良い訳ではありません。心のこもったお礼の手紙を添えることで、相手により感謝の気持ちが伝わるでしょう。

親戚や親の知人への内祝いなら、親からもお礼の手紙を書いておくと丁寧な印象を与えます。しかし、いざお礼の手紙を書こうとしても、「どのように書くべきなのか?」や「定例文は他人行儀な印象になるかも……」など、疑問が出てくるものです。

本記事では、内祝いのお礼の手紙を書く際のマナーや例文をご紹介します。

目次
ご祝儀のお礼の手紙とは?
お礼状のマナー
お礼状の例文をご紹介
最後に

ご祝儀のお礼の手紙とは?

ご祝儀のお礼の手紙とは、いただいたご祝儀のお返しとして内祝いに添える「お礼状」のことを指します。結婚式でいただくご祝儀の場合、「披露宴でのおもてなし」や「引き出物」が内祝いにあたるため、別途内祝いを贈る必要はありません。

ここでのご祝儀のお礼状を送るべき相手とは、

・結婚式で高額のご祝儀をいただいた方
・結婚式には出席していないが、ご祝儀をいただいた方
・入籍のみの結婚だったが、ご祝儀をいただいた方

を指します。

最近では、内祝いの際、昔ながらの丁寧なお礼状を送る方は減ってきている印象です。その背景には、インターネットのショップで、内祝いの品物を購入する方が増えているからだとの見方もあります。 

インターネット上の多くの内祝いのショップでは、熨斗(のし)やメッセージカードを無料で添付してくれるサービスが存在します。そうした手軽なサービスを利用して、済ませる方が多いようです。しかし、人によっては定型文が印刷されただけのカードだと、「カジュアル過ぎる」「気持ちがこもっていない」と捉える方もいらっしゃるかもしれません。

相手によっては、自筆の丁寧な手紙を添えたり、可能であれば品物を直接持参するなど、自分なりの誠意を相手に見せることが大切です。ちなみに、内祝いを手渡しで渡す場合、お礼状は不要。お伺いした際に直接口頭でお礼を伝えます。

お礼状のマナー

「内祝い」といえば、近年は「結婚祝いのお返し」を意味する言葉として浸透しています。しかし、本来内祝いは「幸せをお裾分けする」という意味を持つ言葉。

お礼状を書く際は、感謝を伝えることに重きを置き、「お返しであること」を強く押し出さないよう、気を付けましょう。

お礼状を出す時期

一般的に、内祝いを贈る時期は「お祝いをいただいてから1か月以内」が目安といわれています。早すぎるのも失礼にあたるので、注意が必要です。

いただいたご祝儀や品物の金額は、人により異なります。それに合わせて価格別に内祝いを選ぶのは、大変な作業です。新たな生活の忙しさから、ついつい内祝いの準備が遅れ「気づけばお祝いをいただいてから2か月も過ぎていた……」というような事態も考えられます。いずれにせよ、内祝いとお礼状は早めに準備しておくと安心です。

お礼状の書き方

結婚内祝いに添えるお礼状の基本構成は、以下の通りです。

1:時候の挨拶
2:お礼をいただいたことへの感謝
3:内祝いの品を贈った旨
4:近況報告や今後の抱負
5:今後のご指導やお付き合いのお願い
6:日付・新居の住所・連絡先
7:新郎新婦の名前(旧姓も記載する)

この流れに沿って、相手別に内容や言い回しを変えると良いでしょう。

中には、句読点は「区切る」を意味する言葉であることから、「めでたい場には不適切」という考えをお持ちの方もいらっしゃいます。「お礼状で句読点を使用するのはマナー違反」というわけではありませんが、目上の方宛のお礼状は、気になる場合句読点の使用を避けても良いかもしれません。

お礼状の例文をご紹介

基本的に、内祝いのお礼状は子どもが主体となり準備します。そのすべてのお礼状に、親が関わる訳ではありません。しかし、子どもたちより親との関係が深い相手に関しては、親がお礼状を書くと良いでしょう。

ここでは、親が関わるであろう「親の知人」「親戚」へのお礼状のメッセージの例文をご紹介します。

親の知人へのお礼状例文

「早春の候 ご家族の〇〇様にはますますご健勝のこととおよろこび申し上げます。この度は、長男△△に過度なお祝いのお品をちょうだいし、誠にありがとうございました。

おかげ様をもちまして、〇月〇日、〇〇神社にて無事に結婚式を執り行なうことができました。我が子がここまで健やかに成長し、新しい人生の門出を迎えることができ、肩の荷が下りた気がいたします。

本日は、内祝いとしてささやかな品物をお送りさせていただきました。どうぞお受け取りください。今後とも、未熟な二人を何かとお引き立てを賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。

末筆ながら、〇〇様のご健康とご活躍をお祈り致します。かしこ」

親の知人への内祝いは、親からのお礼状を添えることが多い印象です。お礼状には、ご祝儀をいただいた感謝はもちろん、結婚式を挙げた場合はその報告、最後に親としての心情を書き足すことで、温かみのある文章になるでしょう。

書き手が母親の場合、「かしこ」などの結語だけでも問題ありません。書き手が父親の場合、「謹啓と謹白」や「拝啓と敬具」を用いることが多いようです。お礼状の余白に子どもからのお礼を記入するか、別に子どもが準備したお礼状を添えるとより丁寧な印象になります。

親戚へのお礼状例文

【子どもが書くお礼状例文】

「拝啓 新緑の候 ますますご清栄のこととおよろこび申し上げます。この度は、温かいお心遣いをいただきありがとうございました。ささやかですが、内祝いの品を別便で送らせていただきますので、お納めください。これからは二人で、温かい家庭を築いていきたいと思っております。

未熟者の二人ですので、今後もご指導をお願い申し上げます。なお、新居は左記の通りです。お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。敬具」

【親の添え書き例文】

「けっこうなお祝いのお品をいただき、ありがとうございます。〇〇(子どもの名前)もよろこんでおります。我が家にも是非お越しください」

親戚へのお礼状は、子どもが主体で作成しつつ、親は添え書き程度でも問題ありません。

内容は、式を挙げた場合は結婚式に出席してくれたことへの感謝や簡単な近況、家族への気遣いなど。親戚との関係性によっては、親しみのある表現を盛り込みます。

最後に

ご祝儀のお礼の手紙にも、最低限のマナーは存在します。しかし、それだけでなく、近況や自分らしい表現を交えながら書くことで、気持ちのこもったお礼状に仕上がるでしょう。

今は、SNSやメールで手軽に相手に気持ちを伝えることができる時代です。手紙を送る習慣が減少傾向の現代だからこそ、より感謝の気持ちが伝わる手段として、内祝いの際は手紙を活用されるのも良いかもしれません。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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