写真・文/矢崎海里
旬のイメージがあまりないですが、国産オリーブは9月~11月に旬を迎えます。
世界中でさまざまな品種が栽培されて、塩漬けやオイルなどに加工されていますが、国内では香川県小豆島をはじめとする瀬戸内海地域が主な産地です。
今回はオリーブオイルに着目しました。
オリーブオイルはイタリアンには欠かせないオイルで、オリーブ特有の香りがあります。
なかでも「オリーブの実だけを原料にし、加熱や化学的な処理を行っていないもの」をバージンオリーブオイルと呼び、特に香りが強く、味のよい優れたものは「エキストラバージンオリーブオイル」と呼ばれます。
エキストラバージンオリーブオイルは、香りや風味を楽しむため、パンにつけて楽しんだり、野菜や魚と和えたりと加熱せず生で楽しむのがおすすめです。
今回はエキストラバージンオリーブオイルの風味を生かした減塩レシピをご紹介します。
トマトとブロッコリーのハーブマリネ
【材料】(1人分)
トマト 1/2個
ブロッコリー 1/4株
お好みのハーブ 適量
★レモン汁 小さじ1
★ハーブソルト 小さじ1/2
★エキストラバージンオリーブオイル 大さじ1/2
【作り方】
1.ブロッコリーは小房に分け、水大さじ1(分量外)を振りかける。耐熱容器に入れてふんわりラップをし、600Wの電子レンジで3分加熱して水けを切る。
2.トマトは一口大の乱切りにして、粗熱が取れた1と混ぜる。お好みのハーブは食べやすい大きさに刻む。
3.お好みのハーブ、★の調味料で味付けして完成。
お好みのハーブとハーブソルトで作る、もう一品に嬉しいおかずレシピです。
今回はイタリアンパセリを使用しましたが、バジルやディルなどのハーブで作ってみるのもおすすめです。
また、ハーブソルトのみでも作れます。
オリーブオイルは不飽和脂肪酸の中でもオレイン酸が多く含まれているのが特徴です。
オレイン酸は血中コレステロールを減らすはたらきが期待できます。
ほかにビタミンEやポリフェノールも含んでいて、抗酸化作用があります。
食塩相当量:0.6g
鯛の昆布締めカルパッチョ
【材料】(1人分)
鯛(刺身用) 50g
かいわれ大根 適量
昆布 10cm角1枚
ポン酢しょうゆ 小さじ1
エキストラバージンオリーブオイル 大さじ1/2
【作り方】
1.鯛は水けをふき取る。昆布は表面をふきんで拭き、鯛を挟んでラップを包み、冷蔵庫で半日~1時間置く。
2.鯛を食べやすい大きさに切る。かいわれ大根は2cm幅に刻む。
3.鯛を盛り付けてかいわれ大根を散らし、ポン酢しょうゆ、エキストラバージンオリーブオイルをかける。
和食の技法「昆布締め」とオリーブオイルを合わせた、新感覚のカルパッチョです。
半日~1日昆布締めにすることで、鯛に昆布の旨味が移りつつ水分が抜けて、少量のポン酢の味付けでおいしく食べられます。
植物油は多くが加熱や有機溶媒によって抽出されますが、オリーブは生の実を加熱せずに絞って抽出しているのが特徴です。
エキストラバージンオリーブオイルはオリーブオイルの中で最も品質が高く、味覚を刺激する成分が多く入っています。
良質なオリーブオイルはピリリとした辛みやほのかな苦み、渋みなどが感じられます。
近年はこの辛みなどの刺激を特徴としたオイルも人気です。
今回は加熱せずに魚料理と合わせることで、臭みを消して辛味やフルーティーな香りをプラスしています。
昆布締めに使用した昆布は刻んでカルパッチョにトッピングしてもいいですが、適当な大きさに切って広げ、オーブントースターで水分を飛ばしながら10分程度焼くと、おやつやおつまみにぴったりの昆布チップスに。
捨てずに無駄なく楽しめますよ。
食塩相当量:0.9g
* * *
オリーブオイルは産地によって味わいも全く異なります。
イタリアも同時期にオリーブの旬を迎えるので、国産のものと味わいを比較してみるのもおすすめです。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。