「あれ? なんて漢字だったっけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。
「脳トレ漢字」第165回は、「罹患」をご紹介します。コロナ禍でよく目にした漢字ですが、現在でも間違った読み方をされていることが多いです。実際に読み書きなどをしていただき、漢字への造詣を深めてみてください。
「罹患」とは何とよむ?
「罹患」の読み方をご存知でしょうか? 「らかん」ではなく……
正解は……
「りかん」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「病気にかかること。罹病。」と説明されています。「罹(り)」と「羅(ら)」の漢字がかなり似ているため、「らかん」と誤って読まれていることがあります。
「インフルエンザに罹患した」「コロナウイルスに罹患したことがある」など、主に感染症に対して使われる言葉ですが、ガンや生活習慣病などに対しても使うことができます。
「罹患」の漢字の由来は?
「罹」という漢字には、災難に遭う・病気になるという意味が含まれています。「罹る」と書いて「かかる」と読み、「インフルエンザに罹った」などのように使うことができます。また、病院で治療を受ける人のことを「患者」と言いますね。
「患」という漢字には、苦しみ・病気という意味が含まれているのです。「患(病気)に罹る」と書いて、「罹患」という表現が生まれたと言えるでしょう。
ワクチンの歴史
2019年12月、中国の武漢市で最初の感染者が報告されてから、またたく間に世界的大流行となった新型コロナウイルス感染症。長い歴史の中で、人類はありとあらゆる感染症と戦ってきました。一度病気にかかってしまうと、どうすることもできなかった状況を大きく覆したのが、ワクチンの開発であると言えます。
18世紀末、イギリスの医学者、エドワード・ジェンナーにより、天然痘ワクチンの開発が行われました。
乳牛の間で、天然痘や牛痘が流行していた当時。ジェンナーは、牛痘に感染した牧場の人々が天然痘にかかっていないことに注目します。そして、牛痘にかかった人の膿を取り出して健康な人につけるという、現在のワクチン接種の原形を作り出したのです。
20世紀に入ると、ジェンナーが開発したワクチンはさらに高性能なものへと進化していきます。天然痘ワクチンの接種は世界中で行われるようになり、1980年には、世界保健総会で「天然痘の世界根絶」が宣言されました。
ワクチンの誕生により、天然痘のような感染症を世界から根絶すること、そして、病気を予防することが可能になったのです。
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いかがでしたか? 今回の「罹患」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 「罹患」には、「病気に罹る」という意味があることが分かりました。
現在は、多くの病気を治療できるようになりましたが、なるべく罹患しないように健康的な生活を心がけたいものですね。
文/とよだまほ(京都メディアライン)
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