腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、坐骨神経痛などで良くみられる症状のひとつに、ふくらはぎの痛みやしびれがあります。
簡単なストレッチでこのような症状を改善できる場合があります。
その方法を解説します。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、坐骨神経痛では様々な症状がおこりますが、つらい症状のひとつとしてふくらはぎの痛みやしびれがあります。
■歩くとだんだんふくらはぎが痛くなってくる
■ずっと立っているとふくらはぎに痛みやしびれが出てくる
■座っているとふくらはぎに痛みやしびれが出る
■夜寝ていてもふくらはぎが痛い、しびれる
というようなケースが良く見受けられます。
このような症状で病院に行くと、鎮痛薬や湿布などが処方されて様子をみましょう、ということになります。
しかし薬や湿布を使っていても、なかなか効果が出ないということも少なくありません。
あまり症状が良くならないと、原因となるヘルニアや狭窄などの手術をすすめられることもあります。
ふくらはぎの痛みやしびれの原因のひとつは筋肉
ふくらはぎの痛みやしびれの原因は様々なものがありますが、そのひとつに筋肉が原因となっている場合があります。
次の画像をご覧ください。
これは、ふくらはぎの痛みやしびれの原因となる筋肉の発痛点=トリガーポイントとそこから出る痛みの典型パターンです。
発痛点=トリガーポイントとは、ごく簡単に説明すると、なんらかの原因で筋肉の一部が過度に緊張してしこり状に固まってしまい、痛みやしびれを起こしてしまうポイントのことです。
先ほどの図でいうと、×印がトリガーポイントのできやすい部位(好発部位)で、赤い範囲がトリガーポイントから起こりやすい痛みやしびれの部位です。
この図では、腓腹筋やヒラメ筋、後脛骨筋などのふくらはぎの筋肉にトリガーポイントが生じると、その周囲からかかとや足の裏にまで痛みやしびれが出ることがわかります。
あなたのふくらはぎの痛みやしびれと似ているパターンがあるでしょうか?
トリガーポイントについては、本連載ではおなじみですが、より詳しくお知りになりたい方は、以下のページもご覧ください。
腰痛・坐骨神経痛のトリガーポイント治療(https://www.re-studio.jp/backpain/pg122.html)
ふくらはぎの痛みやしびれを改善する方法
ふくらはぎの痛みやしびれの原因が筋肉のトリガーポイントであるならば、筋肉をほぐすことやトレッチなどで改善する可能性があります。
ふくらはぎの筋肉をほぐす方法としては、筋膜ローラーなどが簡単で効果的です。
市販の筋膜ローラーなどを、上の画像のようにふくらはぎに当てて転がすことで固くこわばった筋肉=トリガーポイントをほぐすことができます。
また最近は軽くて使いやすいマッサージガンなども市販されていますので、それらを使用するのも効果的です。
ふくらはぎの筋肉をほぐしたらストレッチをおこないます。
ふくらはぎのストレッチにも多くのやり方がありますが、筆者の腰痛トレーニング研究所(https://www.re-studio.jp/index.html)では、次のような方法をおすすめしています。
自宅で出来る!腰痛トレーニングDVDより(https://www.re-studio.jp/dvd.html)
このストレッチでは、バスタオルなどを使用します。
仰向けになり、バスタオルを片脚のつま先あたりにかけます。
そこからバスタオルを引っ張るようにしながら膝を伸ばし、脚を上に伸ばしていきます。
タオルをつま先のほうにかけるほど強くストレッチがかかりますので、適度に伸びるようタオルをかける位置や脚の伸ばし方を微調整してください。
適度に心地よくアキレス腱からふくらはぎ、膝裏などが伸びたところで止め、楽に深呼吸しながら力を抜き、30秒~1分ほど伸ばします。
終わったら脚をゆっくり戻し、反対の足も同じようにおこないます。
これを片側2~3回ずつおこなってみましょう。
※ご注意)痛みのためにこのストレッチができない、またはこのストレッチをすると症状が悪化する時はやめてください。
タオルを使った方法では強すぎたり難しい場合には、次のような方法も有効です。
仰向けで膝を軽く曲げた状態で膝の裏をかかえ、ももの裏を伸ばしながら足首を上下に動かします。
つま先を手前に向けたときにふくらはぎが伸びる感じがあればOKです。
ゆっくりと10~20回ほどつま先を動かしてみましょう。終わったら反対の足も同じようにおこないます。
※ご注意)痛みのためにこのストレッチができない、またはこのストレッチをすると症状が悪化する時はやめてください。
また、次のように立っておこなう方法もあります。
いわゆるアキレス腱のストレッチのポーズです。
壁などに両手をつき、脚を前後に大きく開いて両手で押すようなポーズですが、この時に後ろ足の踵をしっかりと床につけることで、ふくらはぎをストレッチすることができます。
足の前後に開く幅や壁を押す強さでストレッチの強さが変わりますので、しっかりとふくらはぎが伸びるところで止め、楽に深呼吸しながら力を抜き、30秒~1分ほど伸ばします。
終わったら脚をゆっくり戻し、反対の足も同じようにおこないます。
これを片側2~3回ずつおこなってみましょう。
※ご注意)痛みのためにこのストレッチができない、またはこのストレッチをすると症状が悪化する時はやめてください。
この記事があなたの痛みを解消する一助になりましたら幸いです。
また以下の記事でも様々な腰痛・坐骨神経痛改善エクササイズをご紹介しております。
ぜひお読みください。
腰・お尻・太ももの裏|痛む部位別におこなう腰痛・坐骨神経痛改善ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第100回】(https://serai.jp/health/1096269)
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拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
お読みいただけると幸いです。
文・指導/川口陽海 厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616 http://www.re-studio.jp/index.html