人が亡くなられたとき、お葬式をすれば終わりというわけではありません。法的な手続きを行えば、社会的な存在自体は消えてなくなってしまうかもしれませんが、遺族の心の中にはずっと残り続けます。
日本では一般的に亡くなられてから32年間すなわち三十三回忌法要まで節目節目に法要が営まれます。長い弔いの中で最初にあるのがこの四十九日の法要です。亡くなられてから49日あるので葬儀とは違って前もって準備はできますが、葬儀後の手続きも色々あり、なかなか時間は取れないものです。
そこで、この記事では「四十九日法要のお布施」について、京都・滋賀で80年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。
もしもの時、その日の時に、この記事をお役立てください。
目次
四十九日とは?
四十九日法要のお布施
お布施以外の費用
まとめ
四十九日とは?
「四十九日(しじゅうくにち)」とは、人が亡くなった後の49日目のこと、そしてその期間を指しています。
四十九日の意味は?
四十九日という日数を数えるのはどうしてでしょうか? それは、人が来世に向かうのに必要な日数とされているからです。この期間のことを「忌中(きちゅう)」もしくは「中陰(ちゅういん)」と呼び、遺族は慶事などのお祝い事は控え、喪に服します。そして、来世に向かう四十九日目に営む法要のことを「四十九日法要」と言います。
「四十九日法要」が終わったら、「忌明け(きあけ)」もしくは「満中陰(まんちゅういん)」として、遺族は喪に服していた期間を終えます。「四十九日法要」についてみていきましょう。
四十九日法要とは?
「法要」とは、亡くなられた方の供養のために行う、仏教の儀式のことを言います。以前は四十九日の法要までに七日ごとに無事、来世に行けるようにお祈りしていました。現代では葬儀の当日に初七日法要を、そして一番大切な来世に向かう四十九日の法要だけを行う場合が多くなっています。
四十九日法要の流れ
一般的な「四十九日法要」の流れを簡単に解説します。
参列者の方が揃ったら法要が開始されます。僧侶の読経から順番に焼香を開始。焼香が終ったら、僧侶による法話があり、その後施主が中締めの挨拶をして、全員でお斎(おとき)と言われる会食となります。最後に施主が閉式の挨拶を行い、引き出物をお渡しして閉式です。
「四十九日法要」で「納骨」を行う場合は、法要のあとに納骨式とお墓参りを行います。
四十九日法要のお布施
「四十九日法要」では僧侶に対する感謝の気持ちとして「お布施」をお渡しするのですが、相場や書き方、渡し方のマナーについて解説します。
お布施の相場
僧侶への感謝の気持ちを表すものですので金額の決まりなどはありません。よくある目安としては、葬儀代の10から20%の間、金額にすると3万円から5万円くらいを考えておけばいいでしょう。ただ檀家さんとの日頃のお付き合いや、宗派によるちがいなど、金額の変動要素はありますので寺院に相談されるのが良いと思います。
お布施の書き方
お布施を入れる封筒は、奉書紙と言われる和紙か水引のない無地の白色封筒に入れましょう。表書きは普通の濃さの墨(もしくは筆ペンなど)で、「お布施」もしくは「御布施」と書き、その下に施主の姓名もしくは●●家と書きます。裏書きは、住所と氏名、そして金額を書きます。金額は旧字体の漢字を使い、頭に「金」、末尾に「圓」をつけましょう。また、納骨法要を同時に行われても封筒はひとつで問題ありません。
お布施の包み方
奉書紙でお渡しする場合は、お金は必ず半紙に包みましょう。お札の肖像画が正面の上に来るようにして入れます。白色封筒に入れる場合もお札の入れ方は同様です。
お札は新札で構いません。葬儀のご香典などは、あたかも用意していたかのように思われてしまいますので新札は使えませんが、「四十九日法要」は準備期間がありますので大丈夫。旧札でも構いませんが、なるべくきれいなお札を用意しましょう。
お布施の渡し方
「お布施」を僧侶にお渡しする時は、素手で手渡しすることがないようにしてください。袱紗(ふくさ)に包み、取り出してから切手盆と言われるお盆に載せて、お渡しするのがマナーです。もしお盆がないのでしたら、袱紗の上に置いたまま、差し出してお渡ししましょう。
「お布施」は僧侶から向かって正面になるようにして差し出します。必ず両手を添えて、感謝の言葉を述べてからお渡ししましょう。
お渡しするタイミングは法要が始まる前か、終わった後のどちらでも構いません。会食をされるときは、会食が終わった後にお渡ししましょう。
お布施以外の費用
「四十九日法要」では、「お布施」以外にも僧侶にお渡しするものがあります。以下に、代表的なものを挙げます。
お車代
僧侶にお渡しする交通費です。寺院で行う場合と、自宅などで行う場合でも車で送り迎えする場合は不要。一般的な相場としては5000円から1万円程度です。お布施とは別に「御車代」と書いた白色無地の封筒に入れて、お布施と同時にお渡しします。
御膳料
お斎(会食)に参加されずにお帰りになられる場合のみ、必要です。食事の内容により異なりますが、一般的に5000円から1万円程度です。こちらも別途白色の無地の封筒を用意していただき、「御膳料」と表書きしてお渡しします。
納骨式お布施
「四十九日法要」と同じ日に納骨式を執り行う場合は、追加で納骨式のお布施が必要です。封筒を分ける必要はありません。金額だけ納骨式の分を上乗せする必要があります。別の日で納骨式を開催した場合の「お布施」の相場は同様に3万円から5万円。同時に行う場合は、5万円から10万円程度が相場となります。
まとめ
「四十九日法要」は来世に向かわれる大切な日です。残された遺族は故人を偲び、来世への願いを馳せ法要を営みましょう。その際には、しっかりとマナーを守り僧侶に対して礼を尽くすことが肝要です。お布施はあくまで感謝の気持ちです。金額の多い少ないではありません。とはいうものの、相場というものがありますので、一つの参考になさってください。
●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)
京都・滋賀で80年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」のとき安心してお任せいただけるのが公益社です。
●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB)