人生も後半を迎え、高齢者と呼ばれる域に近づいてくると「心づもり」が必要なことも増えてきます。その一つが「葬儀」のこと。避けては通れぬことですが、何時くるかわからぬことを理由に先送りにしたり、「縁起でもない!」と避けたりする傾向にあります。

しかし、訃報とは概ね突然やってくるもので、その時になって慌てふためくのが常。もしもの時、その日の時の「心づもり」のためにも、この記事をお役立てください。

そこで、この記事では 葬儀費用について、京都・滋賀で80年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。

目次
葬儀費用の平均
葬儀費用は誰が払うものか?
葬儀費用を払えない場合にできる対処とは?
葬儀費用に関わる税金の控除について
葬儀費用に充てられる保険

葬儀費用の平均

全国の葬儀費用の平均は約133.6万円です(※経済産業省の特定サービス産業動態統計調査より葬儀費用の全国平均金額を算出、2019年度)。

「えっ、そんなに高いの? 」と驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか? あくまでこれは平均値です。ご家庭の事情、故人の方の事情に応じて抑えるところは抑え、出すところは出す。しっかりと費用の内訳を理解し、亡き人を悔いのない形で送り出したいものです。

葬儀費用の相場、目安

そもそも葬儀費用とはどういったものから構成されるのでしょうか? 大きく分けると4つの費用からなります。

・葬儀一式費用

亡くなられてから、火葬場まで必要となる通夜、葬儀運営にかかる基本的な費用です。例えば、祭壇などは質素なものから豪華なものまでのランクによって価格設定されています。最近では一式いくらという形でパッケージ化されているものもあります。

・飲食接待費用

通夜と告別式での会葬者に対する通夜振る舞いや精進落としなどの飲食に関する費用と、会葬返礼品などの会葬者に対する費用になります。会葬者の人数や、料理・品物の質によって変わる費用です。

・宗教者費用

読経(料)や戒名(料)など僧侶などの宗教者に対するお布施、お礼です。お寺と故人の関係性や地域によっても変わってきます。

・火葬場費用

市町村が運営する公営のものと、民間企業が運営する私営の火葬場があります。どちらを選ぶかによって費用は変わりますし、地域によっても変動します。

費用の基本的な構成を理解したうえで、どのような形式の葬儀にするのか、どのようなランクにするのか、そもそも何人規模の葬儀とするのか等を検討します。内容によって費用は大きく変わってきます。

内訳の一覧

こちらはあくまで標準的な相場となります。量や質によって変動します。

葬儀費用
・ご遺体の寝台車(距離10キロ)約2万円
・お棺と安置対応 約10万円
・式場の利用料金(葬儀含む)約20万円
・白木の祭壇 約60万円
・お供え・供花 約3~5万円
・葬儀社人件費(司会・式スタッフ)約10万円
・霊柩車 約3万円~
・火葬料 約2~10万円
・火葬場・休憩室使用料 約1~2万円
・骨壺 約15,000円

飲食・会葬返礼品等変動費用
・通夜振る舞い一人あたり 約5,000円
・通夜、葬儀への会葬返礼品一人あたり 約500〜1,000円
・香典返し一人あたり 約3,000~5,000円

宗教者お礼
・お布施 約30~50万円
・お車代 約15,000円

家族葬

最近は、家族や親族、親しい友人だけで行う家族葬が増えています。家族葬では会葬者が少ないため式場も小さくなり、葬儀に関する費用を抑えることができます。ただし、会葬者が少ない分、ご香典の額も少なくなりますのでご注意ください。家族葬の費用は、一般葬の約3分の2程度の費用感になります。

葬儀の支払い

葬儀費用は誰が払うものか?

葬儀代の支払いについては、法律上、誰が払わねばならないかを明確に規定されていません。ですから、誰が支払っても問題ありません。ですが、一般的には喪主が支払うことが多いようです。また、被相続人で分担するケースもあるでしょう。

いずれにせよ、相続する人の間で揉め事にならないように話し合いの機会を持つことをお勧めします。分担する場合は相続の引継ぎ割合を考慮して負担しましょう。

相続人の喧嘩ほど醜いものはありません。故人のためにもしっかり話し合うことが大切です。

葬儀費用を払えない場合にできる対処とは?

葬儀費用は安くても数十万円から百数十万円という結構な金額です。すぐに現金が用意できない場合、どうすればいいのでしょうか? 

葬儀費用が払えない場合に検討することは次の3つです。

1) 葬儀費用を抑える

葬儀の形式によって大幅に出費を抑えることも可能です。家族葬にすることもしかりですが、お通夜と葬儀を一緒にしてしまい一日で終わる一日葬や、通夜も告別式も行わず火葬だけを行う直葬という手段もあります。

2) 葬儀ローンや分割払いを検討する

葬儀ローンを利用して、葬儀費用を分割で支払うことができる葬儀会社も増えてきています。ローンに限らず、クレジットカードの分割払いやボーナス払いなど、さまざまな支払い方法があります。

3) 公的サービスを利用する

経済的困窮状態であれば、国からの「葬祭扶助制度」というものがあります。また、すべての自治体で導入されているわけではないのですが、市民葬、区民葬という選択もあります。メリットは葬儀代が安くなるという点です。こちらは直接お住いの自治体に、お問い合わせください。

その他に、葬祭補助金制度というものがあります。一部行政が葬儀代を補助する制度です。こちらについては、後述します。

葬儀費用に関わる税金の控除について

葬儀費用にかかるお金は、小さいものではありません。確定申告や相続税はどうなるのか? 行政からの補助金は出るのか? 気になるところです。一緒にそれぞれ見ていきましょう。

確定申告

葬儀費用は確定申告できません。また同様に、香典も非課税なので確定申告の対象にはなりません。ただし、亡くなられた方は、相続人が亡くなられた方に代わって行う、準確定申告を行います。確定申告の期間は1月1日から亡くなられた日までの期間です。ただし、申告するには一定の条件がありますので、あらかじめ確認しておくといいでしょう。

相続税の控除

相続税は基礎控除があります。遺産の課税価格が基礎控除の金額を越えなければ、必要ありません。基礎控除の金額は「3,000万円+(600万円×法定相続の人数)」で定めます。法定相続人が3人いたとすれば、3,000万円に600万円×3人で1,800万円を足して合計4,800万円までが控除されます。また、葬儀費用は相続税の控除対象となります。必ず領収書をもらって、まとめて保管しておきましょう。

葬祭補助金

知っておきたい制度として、「葬祭補助金制度」があります。国民健康保険や後期高齢者医療保険に加入されていた場合、申請すれば支給されます。自治体によって異なりますが、葬祭費として1~7万円が葬儀後に支給となります。直接自治体にお問い合わせください。また、故人が企業にお勤めだった場合は、企業からの補助金や弔慰金などが支払われる場合があります。

葬儀費用に充てられる保険

葬儀費用に充てられる保険としては生命保険があります。ただし、終身保険でないと一生涯の保障はありません。それに生命保険は貯蓄型のものが多く、若くして亡くなる場合以外は途中解約して生活費に充填するケースが多く、葬儀費用を考えて契約しているものは少ないと考えられます。

適応できる保険

少額短期保険というものがあります。月々の掛け金が少なく、保険期間が1年以内の保険商品です。こちらは請求してから1週間から10日ほどで支払われるため、葬儀費用の支払いにも十分に間に合います。加入にあたっては医師の診断が不要で、加入年齢の制限も生命保険に比べると厳しくはありません。

葬儀費用に不安のある方は一度検討しては如何でしょうか。

まとめ

人生最後の幕引きである葬儀については、結構お金のかかるものであることはご認識いただけましたでしょうか。いつやってくるかわからないその日。エンディングノートなるものが流行っていますが、同様にご自身と近親者のことも思い、早めの準備をしておくことが大切だと思います。

最後のお別れに余計な気ばかり使っていては、しっかりとお見送りすることができません。かといって無防備に任せっぱなしにしてしまうと、「こんなに高いの! 」ということになりかねません。

●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB

●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com

京都・滋賀で80年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」のとき安心してお任せいただけるのが公益社です。

 

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