長時間座り続けていると、腰に負担がかかり腰痛をおこしやすくなりますが、少し座り方に気をつけることで予防することができます。
正しい座り方とイスに座ったままできる腰痛予防ストレッチをご紹介します。
長時間座りっぱなしで腰の筋肉が固まる
会社でのデスクワークや自宅でのリモートワーク、ビデオ視聴やゲームなど、現代人は何かと長時間座ることが多くなっています。
しかし残念ながら、人間の身体はまだ、長時間座って作業することには適応できていないようです。
長時間座り続けるなど同じ姿勢でいると、全身の筋肉がこり固まってしまいます。
座っている場合、とくに背骨や骨盤を支える次のような筋肉が疲労し、緊張して固まりやすくなります。
【腰方形筋】
【中殿筋】
普通なら筋肉は疲労しても回復しますが、毎日毎日繰り返されるとだんだん回復しにくくなり、強く緊張してしまう場合があります。
すると筋肉内にトリガーポイントと言われる発痛点ができてしまい、そこから痛みがおこります。
【中殿筋のトリガーポイントによる痛みの例】
例えば中殿筋にトリガーポイントができてしまった場合、上図の赤い範囲、骨盤周りに痛みが出ることがあります。
もしかしたらあなたがいつも痛みを感じる部分と似ていませんか?
このような場合、座り方に気をつけたり、ストレッチをしたりすることで腰痛を予防することができます。
トリガーポイントについてより詳しくお知りになりたい方は、以下のページもご覧ください。
腰痛・坐骨神経痛のトリガーポイント治療(https://www.re-studio.jp/backpain/pg122.html)
腰痛を予防する正しい座り方
正しい座り方というと、次の画像のような座り方をイメージする方が多いかもしれません。
確かに背筋がピンと伸びて姿勢良く見えます。面接や接客など比較的短時間で済む作業ならとても良い姿勢だと思います。
しかし長時間この姿勢でデスクワークなどをおこなうと、確実に腰に負担がかかります。
とくにPC作業に集中すると、無意識に徐々に前のめりの姿勢になってしまいますが、それは最も腰に負担がかかる姿勢です。
長時間座って作業する場合は、上図のように深く腰掛け、背もたれをしっかり使うのが正解です。
こうすることで背もたれに上半身の重さを逃がすことができますので、腰にかかる負担(重量)が減るのです。
デスクワークの場合は、この姿勢のままイスを前に出して机に近づければ、作業しにくいこともありません。
しかしそれでも長時間座っていれば腰に負担がかかるのは間違いありませんので、せめて1時間に一度くらいはイスから立って身体を動かしましょう。
またその際に、次のようなストレッチもおこなうと、腰やお尻の筋肉の疲労緊張をやわらげることができます。
イスに座っておこなう殿筋ストレッチ(1)
イスに座っておこなう殿筋ストレッチです。このストレッチは中殿筋をはじめ、大殿筋やハムストリング、梨状筋などにも効果があります。
腰や骨盤周囲、腿裏などに痛みがある方は良くおこなってみてください。
自宅で出来る!腰痛トレーニングDVDより(https://www.re-studio.jp/dvd.html)
足の裏がしっかりつく高さのイスに、やや浅めに腰かけます。
片方の足首を、反対の膝に乗せます。
そのまま上半身を股関節から前に倒します。
背中や腰は丸め過ぎず、胸を脚に近づけるようにしていきます。
適度にお尻の筋肉が伸びたところで止め、30秒~1分ほど伸ばします。
終わったら上半身をゆっくり戻し、反対の足も同じようにおこないます。
片側2~3回ずつおこないましょう。
※ご注意)痛みのためにこの姿勢ができない、またはこの姿勢をとると症状が悪化する時はやめてください。
イスに座っておこなう殿筋ストレッチ(2)
このストレッチでは、お尻から腰にかけて筋肉をストレッチすることができます。
足の裏がしっかりつく高さのイスに、やや浅めに腰かけます。
片方の足首を、反対の膝に乗せます。
組んだ脚の膝を手で軽くおさえ、上半身を反対方向にひねります。
上半身をひねったまま、斜め方向に倒していきます。
股関節から倒すようにしてください。
股関節の中が開くような感覚、またそこから腰の横や背中にかけて伸びるような感覚が出たらそこで止め、30秒~1分ほど伸ばします。
終わったら上半身をゆっくり戻し、反対の足も同じようにおこないます。
片側2~3回ずつおこなってみましょう。
※ご注意)痛みのためにこの姿勢ができない、またはこの姿勢をとると症状が悪化する時はやめてください。
この記事が腰痛改善の一助になれば幸いです。
以下の記事でも様々な腰痛・坐骨神経痛改善エクササイズをご紹介しております。
ぜひお読みください。
3分で腰の疲れをとって腰痛を予防! 誰でも毎日できる簡単ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第88回】(https://serai.jp/health/1070834)
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拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
お読みいただけると幸いです。
文・指導/川口陽海 厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616 http://www.re-studio.jp/index.html