取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ】
今回お話を伺った暁子さん(仮名・37歳)は32歳のときに紹介で知り合った男性と結婚、現在は旦那さまと子どもと3人で暮らしています。都内で1人暮らしをしていた旦那さまの祖父の足が不自由になってしまい、東北で暮らしていた義両親が東京に移り住むことになります。当初は義父と旦那さまともに一人っ子ということもあり、暁子さん夫婦が一緒に暮らす案もあっただけに、義両親の祖父との同居は本当にありがたいと思っていたそう。
「義父も夫もともに一人っ子。どちらかが面倒を見ないといけないとは夫から言われていました。その中で、義父はグループ会社に再雇用という形で一緒に暮らすことを選んでくれたんです。当時の私は1歳に満たない子どもを抱えていて、もし介護となったら……と不安でいっぱいだったので、本当に感謝しかありませんでした」
祖父と折り合いの悪い義母は、私たちの家を逃げ場にするようになった
義両親とは新幹線で2時間前後の場所から在来線で1時間弱の場所になったことで、義母のみが頻繁に家に遊びに来るようになります。遊びに来る頻度は週に1~3度で、多いときは旦那さまのいる週末に必ず来ることもあったそう。しかし邪険にできない理由があったと言います。
「義母と祖父の折り合いがあまり良くないみたいで……。義父に勝手に決められて東京に移り住んできたことをいつも私の前で愚痴っていました。
夫の祖父は私たち夫婦の前ではすごく穏やかな人なのに、義母の前では『そんなことは自分でできる!』と声を荒げるそうなのです。義母から聞いただけなので本当かわからないですけど。そんなことを聞くと祖父のいる家に帰ってとは言えませんよね。私たち夫婦の代わりに一緒に暮らしてくれているという思いもありましたし」
義母は子どもの面倒も率先して見てくれて、そのことも最初はありがたいと思っていたそう。
「義母が来るとなるとある程度身なりも整えて、部屋の掃除もしてから迎えなければいけないという面倒なポイントもありましたが、『私が見ているから少し横になったら』とか『出かけてきてもいいのよ』と言ってくれて実際にとても助かっていました。
それに、義母は夫への執着が本当になくて。私のイメージの姑って息子が嫁と自分以上に仲良くしていると嫌だろうと思っていたのですが、『孫は見ているからたまにデートでもしてきなさいよ』と。元々夫には淡泊な人なのかなって、そのときは深く考えていませんでした」
【子どもが私よりも義母に懐くように。次ページに続きます】