文/堀けいこ
“朝ドラ”史上初となるヒロイン3人による100年のファミリー・ヒストリー『カムカムエヴリバディ』。その物語の鍵となる名曲「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」をはじめ劇中に流れる多彩なジャズ・ナンバーを、ジャズ・レジェンドを含む日本のトップ・ミュージシャンたちが演奏するライヴがブルーノート東京で催される。それも日替わりテーマによる二夜連続公演。配信も予定されているため、我が家でゆっくりと楽しむこともできる。
ウイークデイの朝、15分間のドラマの展開に一喜一憂する人たちが続出。昨年の11月にスタートした話題のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』だが、その物語もいよいよ佳境に入ってきている。
安子、るい、ひなたというヒロイン3人による、母から娘、さらにその娘へとバトンをつないでいく100年の近代日本ファミリー・ヒストリー。そこに日本のジャズ受容の歴史を重ね合わせ、多彩なサウンドトラック(劇中音楽)が織り上げられている。中でも、ルイ・アームストロングの歌う「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」は、ヒロインたちの運命を導いていく物語の重要な鍵として登場し、観るものの心を捉えて離さない。
音楽監督を担当しているのは作曲家でキーボード奏者でもある、フラッシュ金子こと金子隆博。金子氏は、ブルーノート東京のステージでもお馴染みのスーパー・ブラス・バンド、BIG HORNS BEE(ビッグ・ホーンズ・ビー)のリーダーであり、1980年代から数々のヒットを飛ばしてきた米米CLUBの中核メンバーでもある。
日本のジャズ界のレジェンドも登場して2夜連続で聴かせて、魅せるステージ
その金子氏が指揮を執る今回の公演には、『カムカムエヴリバディ』のサウンドトラックのレコーディングに参加した日本のトップ・ミュージシャンが集結。さらに、サライ世代にとってうれしいことに、世界的なジャズ・クラリネット奏者である北村英治氏、日本のサッチモの異名をもつジャズ・トランペット奏者にしてヴォーカリストの外山喜雄氏というふたりのレジェンドも登場。伝説を目撃する、またとない機会だ。
二夜連続のスペシャルな企画で、一夜目の3月26日(土)は“60’s モダンジャズの時代(1962年)から現代へ” 、二夜目の27日(日)は“20’s トラッドジャズの時代(1925年)から現代へ”、というふたつのテーマで展開。100年のファミリー・ストーリーであるドラマと同様に、ジャズを中心とした100年間の音楽の移り変わりを感じ取れるようになっている。「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」がどのタイミングで演奏されるのかを予想するのも楽しみのひとつだ。
会場での臨場感を直接味わうことはもちろんだが、両ステージともインターネット配信(有料)が予定されているため、我が家で家族とともに『カムカムエヴリバディ』のシーンを思い浮かべながらライヴを楽しむこともできる。配信開始から1週間後まで視聴できるアーカイブ配信が設けられているため、お気に入りのナンバーを繰り返し聴くという贅沢もできる。それぞれのスタイルで、100年の物語を紡ぐ音楽に満ちた時間に浸りたい!
【スケジュール】
2022年3月26日(土)、27日(日)
料金や開催時間、配信などの詳細:http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/takahiro-kaneko/
会場:ブルーノート東京
東京都港区南青山6-3-16
ご予約/お問合せ :03-5485-0088
■カムカムジャズバンドHP:http://g-kids.net/comecomejazzband/
文/堀けいこ