写真・文/矢崎海里
この時期旬を迎える水菜、かつては高値で販売された京野菜でした。関西では「京菜(きょうな)」とも呼ばれ、今では全国で栽培される定番野菜となりました。
水菜はギザギザした葉と食感が特徴で、くせがなく食べやすいため、料理に取り入れやすい野菜です。また緑黄色野菜でビタミンやミネラル、食物繊維などを含んでいます。今回は旬の水菜を使った減塩レシピをご紹介します。
牛肉と水菜のはりはり鍋風
【材料】(1人分)
牛肉切り落とし 100g
水菜 2株(100g)
だし汁 150cc
醤油 小さじ1
酒 大さじ1/2
みりん 大さじ1/2
【作り方】
1.水菜は3cm幅に切る。
2.鍋にだし汁、醤油、酒、みりんを入れ、煮立ったら牛肉を入れアクを取りながら色が変わるまで煮る。
3.水菜を入れさっと煮たら火を止める。器に盛り完成。
はりはり鍋とは、水菜とくじら肉を薄いしょうゆ味のつゆで煮たものです。今回は牛肉を使用して、普段のおかずの一品になる煮物レシピにアレンジしました。牛肉と水菜というシンプルな料理ですが、優しい味付けに牛肉のうま味が溶け出した、ほっとするひと品です。さっと火を通した水菜はかさが減り、食べやすくなります。
水菜は水分が多く、たっぷり食べてもカロリーが低く、また食物繊維が摂れるのがうれしい野菜です。鍋の名の通り「はりはり」とした歯触りが特徴で、噛みごたえがありダイエット中の方にもおすすめの野菜です。アクが少なく生でも食べやすいので、サラダや和え物などでもおいしく食べられます。
食塩相当量:1.1g
水菜とわかさぎの柚子胡椒漬け
【材料】(1人分)
わかさぎ 10尾
片栗粉 小さじ1
水菜 1株(50g)
玉ねぎ 1/8個
人参 1/5個
ピーマン 1/2個
★酢 大さじ2
★砂糖 小さじ2
★柚子胡椒 小さじ1/4
揚げ油 適量
【作り方】
1.水菜は3cm幅に、玉ねぎは薄切りにする。人参とピーマンは千切りにする。
2.耐熱容器に1と★の材料を入れて、ふんわりラップをする。600Wの電子レンジで2分加熱する。
3.わかさぎに片栗粉をまぶし、180℃の油で3分程度揚げる。
4.わかさぎの油を切り、2に混ぜて冷蔵庫で1時間冷やして完成。
同じく冬に旬を迎えるわかさぎを使ったレシピです。作り置きできるよう、野菜には火を通していますが、すぐ食べる場合、水菜は生でもOKです。清潔な容器に入れて冷蔵庫で保存すれば、3〜4日は保ちます。さっぱりとした甘酢に、ピリリとした柚子胡椒がアクセントになっています。
水菜は茎が細く白っぽい見た目なので、意外に思われる方もいると思いますが、実は緑黄色野菜です。ビタミンAやビタミンK、ビタミンCなどが補えます。またカルシウムも野菜の中では多く、水菜100gあたり110mg含んでいます。同じくわかさぎも頭から尻尾まで骨ごと食べることができ、カルシウムが多く含まれています。このメニューひと皿で、一日に必要なカルシウムのうち約2/3量を補うことができます。
食塩相当量:0.9g
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栄養を逃さず、食感を楽しむためには生かさっと火を通して食べるのがポイントです。水菜は根を濡らしたペーパータオルで覆い、ポリ袋に入れて野菜室に立てて保存することで長持ちしますよ。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。