皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第2回のテーマは、「東洋医学(漢方薬)と西洋医学(西洋薬) 」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、篠原明宏さんにお話を伺いました。
東洋医学(漢方)の考え方
私たちの健康や生活を支えてくれる医学は、「東洋医学」と「西洋医学」に大きく分けられます。ここではまず、東洋医学について、その特徴と考え方をご紹介していきます。
東洋医学の特徴
東洋医学の特徴やメリットについては、主に以下の4点が挙げられます。
・根本から不調を改善できる
・副作用が起きる可能性が西洋医学に比べて少ない
・体質へのアプローチにより、いくつもの症状を同時に改善できる
・体に負担をかけたくない場合に向いている
東洋医学は対処療法である西洋医学と違い、「原因を根本から治す」という目的のもと、治療が行われます。また、患部だけではなく、体全体を診ながら不調を正していきます。
さらに、東洋医学の特徴として、病気の前段階の状態を指す「未病」という概念があります。健康を維持するという目的のために、東洋医学は幅広く活用されているのです。
東洋医学の代名詞でもある漢方薬は、7世紀頃に中国から伝わりました。その後日本で長い年月をかけ、知識や技術が集約されることで現在の形になったのです。
原料は自然由来の生薬なので、化学物質のみで構成された西洋薬とは異なります。
西洋医学の考え方
東洋医学と対をなすのが西洋医学です。ここでは、西洋医学の特徴やメリット、東洋医学より西洋医学が向いている場面などについて解説します。
西洋医学の特徴
西洋医学の特徴やメリットについては、主に以下の4点が挙げられます。
・現代医学とも呼ばれ、主流である
・緊急性を要する場合にすぐ対処でき、即効性がある
・熱や血圧を下げる、痛みを止めるなど、症状に直接アプローチする
・数値や画像など、客観的データをもとにしているので患者に説明しやすい
西洋医学では病原を科学的に分析し、客観的データをもとに治療を行います。また、エビデンス(検証・臨床結果)を重視し、症状に病名をつけ、治療を画一的に行うので、医師ごとのブレがありません。
胃や心臓など、一つひとつの器官を重視して対処するのも西洋医学の特徴で、体全体を診る東洋医学とは異なる考え方を持ちます。
また、「西洋医学イコール現代医学」であり、現代において一般的な治療法なので、安心感があります。
東洋医学と西洋医学の違い
東洋医学(漢方薬)は、体のバランスの乱れを「証(しょう)」という考えのもと見極め、体質の改善をめざします。
漢方薬は植物や動物、鉱物など自然由来のものを組み合わせた生薬で構成されています。病気の前の未病状態からでも対処できるので、重篤な症状にならないために、早い段階から治療を行える点がメリットです。
西洋医学(西洋薬)は化学的に合成されたものが大半で、基本的にはひとつの成分で構成されています。即効性があり、菌を殺す、血圧を下げる、痛みをとるなど、緊急性のある病気の対処に適しています。
軽い症状は漢方薬で抑えつつ、病名が付くほどの重い症状になってしまった場合には西洋薬を使うなど、患者の負担を軽減する目的で2つを飲み合わせるという場合もありますが、逆に一緒に飲むと副作用が起こってしまう場合もあります。そのため、飲み合わせについてはご自身で判断せず、必ず医師や薬剤師に相談し、指示に従ってください。
東洋医学は「“病人”を診る」といわれるのに対し、西洋医学は「“病気”を診る」といわれます。どちらが正しい、というわけではなく、体の不調に対する解決手段の考え方の違いによるもので、現代では場合によって東洋医学と西洋医学を使い分ける「統合医療」が一般的になっています。
漢方薬を服用するときの注意点
漢方薬はそれぞれの体質や、他の薬との飲み合わせをしっかり考えて服用することが大事です。
「不調を根本から改善したい」という場合に向いている選択肢ではありますが、よく調べずに選んで服用すると、症状を治すどころか悪化や副作用の心配も出てきます。
漢方薬はある意味、オーダーメイドの治療法ともいえます。そのため、きちんと自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合った漢方薬を見つけるには、漢方に精通した医師や薬剤師が頼りになります。
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賢く漢方薬を使いこなす
現代の医療は、場合によって東洋医学と西洋医学を使い分け、治療することがほとんどです。それぞれの長所をうまく活用し、病気に対処していくという形はごく自然なうえ、効果も期待できます。
「気になる症状がある」という方は、自分ひとりで抱え込んだり悩んだりせず、医師や薬剤師などに相談してみましょう。
<この記事を書いた人>
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