取材・文/池田充枝
「メット(The Met)」の愛称で呼ばれ、アメリカが世界に誇るメトロポリタン美術館。
1866年7月4日、パリでアメリカの独立宣言90周年を祝うために集まった人々によって構想され、4年後の1870年4月13日に創立。当初、所蔵品は1点もありませんでしたが、個人コレクターからの寄贈など、関係者の努力によってコレクションを形成し、1872年2月20日、ニューヨークのマンハッタンの小さな建物の中で一般公開が始まりました。
1880年、現在のセントラル・パーク内の建物に移り、以降拡張を続けて現在では、先史時代から現代まで5000年以上にわたる世界各地の考古遺物・美術品150万点余りを有しています。
このたび大阪と東京に、メトロポリタン美術館から西洋絵画500年の歴史を彩った傑作が一挙来日します(2022年5月30日まで)。
本展では、初期ルネサンスからポスト印象派までの選りすぐりの名画、65点が出品され、そのうち46点が日本初公開となります。
本展の見どころを国立新美術館の主任研究員、宮島綾子さんにうかがいました。
「メトロポリタン美術館は数年前から展示室の改修を進めています。そのおかげで、同館の常設展の主要作品が一挙来日することになりました。65点全てが見どころと言える豪華な展覧会です。展示は時代順に3章に分かれます。
1章は15–16世紀、ルネサンスの時代。フラ・アンジェリコ、ラファエロ、ティツィアーノ、クラーナハなど、代表的な画家たちの17点の作品が皆様を迎えます。
2章は17–18世紀。イタリアのカラヴァッジョ、オランダのフェルメール、フランドルのルーベンス、スペインのベラスケス、ロレーヌ公国のジョルジュ・ド・ラ・トゥール、フランスのブーシェやヴァトーなど、各国の巨匠たちの名画30点が並びます。
最後の3章は19世紀。ターナーから、クールベ、マネ、印象派のモネ、ルノワール、ドガ、ポスト印象派のセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンまで、時代を率いた画家たちの傑作18点を紹介します。
コロナ禍で旅行を楽しめない日々が続きますが、本展では日常から離れ、メトロポリタン美術館を訪れたかのような、充実したひと時を過ごしていただけるでしょう」
西洋絵画史を彩った巨匠たちの名画を、会場でじっくりご鑑賞ください。
【開催要項】
メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年
公式サイト:https://met.exhn.jp/
2021年11月13日(土)~2022年1月16日(日)
大阪市立美術館
住所:大阪市天王寺区茶臼山町1-82
電話:06・4301・7285(大阪市総合コールセンターなにわコール)
開館時間:9時30分から17時まで(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(ただし1月10日は開館)、年末年始(12月30日~1月3日)
2022年2月9日(水)~5月30日(月)
国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時から18時まで、金・土曜日は20時まで(入場は閉館30分前まで)
休館日:火曜日(ただし5月3日は開館)
※料金及びアクセスは、両館とも公式サイト参照
取材・文/池田充枝