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買える藝大!東京藝術大学にギャラリー「藝大アートプラザ」がオープン

閉ざされた印象の強い藝大。
しかし、じつは一般にも門戸を開いたオープンな大学だった。
新たにできた施設をきっかけに、藝大を楽しんでみたい。

わが国の芸術教育機関の最高峰として、平山郁夫、坂本龍一をはじめ、名だたるアーティストを輩出してきた東京藝術大学(藝大)。その上野キャンパスに、教員や卒業生、現役学生の作品を展示、販売する「藝大アートプラザ」がオープンした。

美術学部の正門。「藝大アートプラザ」は正門を入り、左に曲がった先にある。写真に写る大きな建物は東京藝術大学大学美術館。

藝大アートプラザ。フランク・ロイド・ライトに学んだ建築家、天野太郎設計の建物を改装している。10月以降、前庭にキッチンカーが停まりコーヒーやチャイも飲める。

作品のほとんどは、藝大生や職員、卒業生たちがアートプラザのために制作したもの。日本画、油画、彫刻、工芸など、ジャンルは多岐にわたる。

家庭でも飾りやすい大きさ、手頃な値段のものも多く、1万円前後の作品も並ぶ。漆塗りのぐい呑、ガラスのアクセサリーや金属の花器など、日常使いできるものもある。

藝大アートプラザ内観。企画展と呼ぶ特別展示も、年に10数回開催する。10月2日から始まった日本画展には、日本画科の教授が描いた扇の絵が並ぶ(写真は別の展示)。

大学と世の中との接点に

東京藝術大学学長の澤和樹さんは、次のように語る。

「大学には、教員や学生を世間から切り離し、教育研究に集中できる環境をつくる役割がありますが、一方でその研究成果を世の中に還元する必要もあります。

日本は経済的に困ったときには真っ先に文化の予算を削ります。そんな芸術の価値が実感されにくい状況のなかで、大学の研究成果を世に発信することは、結果的に才能ある学生や卒業生に活躍の場を提供することにつながると考えています。

藝大は一般の方からは遠い存在だと思われがちですが、これからは世の中との接点をもっと持っていきたいですね。アートプラザは、藝大の玄関口です。芸術を通して大学と一般の方、企業や地方自治体などを橋渡しするコミュニティ交流ゾーンとして効果的に活用していく予定です」

澤和樹さん(東京藝術大学学長・63歳) 昭和30年、和歌山県生まれ。4歳よりヴァイオリンを始める。東京藝術大学大学院音楽研究科修了。ロン=ティボーをはじめ、数々の国際コンクールに入賞。平成28年に学長就任。英国王立音楽院名誉教授。澤クヮルテットを主宰。

藝大を外に開く試みは他にもある。教科書でお馴染みの絵画、高橋由一『鮭』などを所蔵する大学美術館では、大規模な企画展が開催される。また、1100を超す座席数を誇る奏楽堂では、教員や学生によるオペラやコンサートも行なわれ、一部の演奏はハイレゾ音源でストリーミング配信している。学生といえども、狭き門をくぐり抜けて入学した優秀な奏者たち。演奏はプロ顔負けである。

ここで出会った作家・演奏家は、未来の大物アーティストになる可能性も秘めている。作品を見て買って、演奏を聴きに、気軽に藝大を訪れてみてはいかがだろう。

【藝大各学科の教員・卒業生・在学生の作品が購入できる】

陶彫彩色の「ジャイアントパンダ」8万6400円・中村弘峰さん作(美術研究科修士課程彫刻専攻修了)。

(手前から)ネックレス2万3760円、ネックレス7560円、イヤリング6804円・福村彩乃さん作(音楽研究科修士課程修了、2012〜13年美術研究科工芸専攻ガラス造形研究生)。

「花器 Gold line」(手前から)19万9800円、21万6000円・岩田広己さん作(工芸科彫金専攻准教授)。

藝大ビスケット1200円。箱のデザインは日比野克彦美術学部長。学長のキャラクター「カズキチャマ」プリントのビスケット入り。

【藝大アートプラザ】
東京都台東区上野公園12-8 
電話:050・5525・2102 
営業時間:10時~18時 
定休日月曜
JR上野駅公園口、鶯谷駅南口より徒歩約10分。
京成上野駅、地下鉄上野駅より徒歩約15分。
地下鉄根津駅
より徒歩約10分。
https://artplaza.geidai.ac.jp/

取材・文/藤田麻希 撮影/宮地 工 
※この記事はサライ2018年11月月号より転載しました。
※値段はすべて税込みです。

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