歳をとるというのは厄介なものですよね。周りからは、年相応に物知りなどと思われたりして…。うっかり漢字の読み方なんか間違えたりしますと、とっても恥ずかしい思いをするなんてこともあるかもしれません。
脳の方は、若い時のようにパッパと記憶中枢からひっぱり出せなくなってきているかもしれませんが、「歳をとってきちゃって、なかなか思い出せなくて…」なんて言い訳をするようでは、サライ世代の沽券に関わる?
そんなことにならないように、動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。
「脳トレ漢字」第64回目は、「宛ら」をご紹介します。普段ひらがなで目にしている言葉も、漢字では読みづらいものかもしれません。
この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「宛ら」はなんと読む?
「宛ら」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「あてら」でも「もっぱら」でもなく……
正解は……
「さながら」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、1:「まるで、そっくり」、2:「そのまま、もとのまま」、3:「すべて、全部」という3つの意味があると説明されています。いずれの場合も、ある事物を他の事物になぞらえていうときに、両者がそっくりなほどよく似ている様子を表す言葉です。
日常などで使う割合が高いのは、1:「まるで」という意味での「さながら」です。例えば「さながらプロの腕前だ」のように、比喩表現とともに使用されます。
「宛」の漢字の解説
「宛ら」を構成する漢字を見ていきましょう。郵便の「○○宛て」という使い方が一般的な「宛」ですが、「宛ら」の場合「まるで、あたかも」という意味です。
ちなみに「さながら」は、「宛ら」の他にも「然ながら」と表すこともできます。
「宛ら」の語源は?
最後に「宛ら」の語源を確認していきましょう。「宛ら」(さながら)は、副詞の「さ」に接続助詞の「ながら」が組み合わさった言葉です。「そのよう、そう」という意味の「さ」と、「~にも関わらず、~のまま」という意味の「ながら」。この二つの言葉が連なって使われるようになったため、「そのような」などの意味をもった単語になりました。
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いかがでしたか? 今回の「宛ら」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 「宛ら」は、源氏物語や方丈記といった古典の時代から使われている、趣深い日本語の一つです。読み方とともに、複数ある意味も習得していきましょう。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
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