「あれ? なんて漢字だったっけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第53回目は、「海月」をご紹介します。“海の月”とはどんな生物を指すのでしょうか。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「海月」はなんと読む?
「海月」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「かいげつ」と音読みするのではなく……
正解は……
「くらげ」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「胃腸と循環器の働きをする腔腸を持つ動物の基本形のうち、浮游生活を送るもの」と説明されています。透明でゼラチン質から成る体、傘部分から垂れ下がる触手が特徴的な海の生き物です。「くらげ」は他にも「水母」、「水月」、「鏡虫」、「久羅下」など、多くの漢字表記があります。
■「海月」の漢字の由来とは?
では、なぜ「くらげ」を「海月」と書くのでしょうか? それは「海に浮かぶ姿が(反射する)月のように見える」ということからです。「水月」という表記も同じ由来だと考えられます。くらげが海中をゆらゆら漂う姿を、夜空の月に見立てたのですね。
■「くらげ」の語源は、くるくる回るから?目が無いから?
「海月」の由来を確認しましたが、「くらげ」の語源はご存知でしょうか? こちらは諸説あると言われています。
海の中をクラクラと浮游しているから「くらげ」という説や、目がないように見えるくらげの姿から「暗気」に由来するという説、「輪笥(くるげ)」と呼ばれる丸い入れ物に由来する説、などなど…。ちなみに英語圏では「Jellyfish」、つまり「ゼリー状の魚」と呼ばれています。体の約95%以上が水分でできている「くらげ」は確かにゼリーのようです。
実はくらげには、脳も心臓も血管も血もありません。その上、まだ解明されていない生態もある、謎多き生き物です。だからこそ、水族館などで多くの人を惹きつける魅力を持っているのかもしれません。
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いかがでしたか? 今回の「海月」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? “海にたゆたう月”と書いて「海月」… 詩歌で表現されるような叙情的な美しさが感じられますね。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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