17世紀オランダの富裕層では、男女が親密になるきっかけとして楽器を持ち寄り合奏することが多かった。風俗画でも音楽のある日常が、男女の愛と結びつけられながら多く描かれた。女性が演奏するヴァージナルや手前のヴィオラ・ダ・ガンバなどの楽器は、フェルメールが好んで描いたモチーフ。一般的に楽器のモチーフは「愛」あるいは「調和」を表象する。本作にはフェルメールが意図した深い含畜が表現されているといわれる。背後の絵は同時代の風俗画家バビューレンの「取り持ち女」で、欲得づく愛を象徴している。閉ざされている窓のカーテンが、男女の秘密の恋愛をほのめかしているようだ。『ヴァージナルの前に座る若い女性』は、同じくロンドン ナショナル・ギャラリーに所蔵される『ヴァージナルの前に立つ女性』の、対作品として知られる。
【額装】
額の色は白、茶、ナチュラルを用意。ロンドン ナショナル・ギャラリー公認の証としてマットに金色のプレートが貼付。壁掛け可能。
【高品位美術印刷】
画稿はキヤノンが開発した高品位美術印刷技術により高品質・高細に複製。
インクに圧力や熱を加え「微粒子」に変えたうえで、直接紙に噴き付けて印刷しているので網点(ドット)がなく滑らかな印刷面となる手法。
この印刷は30~50年近く変色しない技術から国宝や重要文化財などのレプリカ製作にも応用されており、その品質は高い評価を得る。耐光性・演色性に優れ、高品質を長くお楽しみいただける。
【ヨハネス・フェルメール(1632-1675)】
オランダのデルフトに生まれ、生涯のほとんどを故郷で過ごした。宗教画を描いていたが、風俗画へ移行。男女を描いた静謐な作風で知られる。「フェルメール・ブルー」と呼ばれる深く鮮やかな青ときらめく光の点を描く「ポワンテイエ」という技法を使った作品を描いたことで知られる。現存する作品は、わずか30数点。
【今日の逸品】
複製画「ヴァージナルの前に座る若い女性」/額装
『大人の逸品』オリジナル
10,000円(消費税込み)