永青文庫は、今は遠き武蔵野の面影をとどめる目白台の一画に、江戸時代から戦後にかけて所在した広大な細川家の屋敷跡の一隅にあります。

細川家は、室町幕府の三管領の一つとして武門の誉れ高い家柄で、現在の細川家は戦国武将、細川藤孝(幽斎)を初代として代々文武両道に優れた家柄でした。この家に伝来する歴史資料や美術品などの文化財を管理・保存・研究するために、昭和25年(1950)、16代当主、細川護立(ほそかわ・もりたつ 1883~1970)が設立したのが永青文庫です。

護立自身も幼少期から漢籍に親しみ、渡欧を機に東洋美術を広く蒐集し始め、中国の石仏・金銅仏、インドや東南アジアの彫刻をもコレクションに加えています。

重要文化財 如来坐像 中国 宋時代(437年・元嘉14年) 永青文庫蔵

永青文庫で開催の「アジアの仏たち―永青文庫の東洋彫刻コレクション―」は、永青文庫の東洋彫刻が一堂に会す7年ぶりの展覧会です。(1月17日~3月29日)

本展の見どころを、永青文庫の学芸員、輿石英里子さんにうかがいました。

「永青文庫は、細川家伝来の美術工芸品や歴史資料、そして設立者である16 代細川護立の蒐集品を所蔵しており、これらを年に数回テーマを決めて展示しています。なかでも、2019年に開催した「石からうまれた仏たち」展は大変ご好評をいただき、多くのお客様にご来館いただきました。そのため、今回は一部内容を変更して再び開催することにいたしました。

永青文庫の東洋彫刻コレクションが一堂に会する機会はなかなかありません。

重要文化財 菩薩半跏思惟像 中国 北魏時代(6世紀前半)永青文庫蔵
重要文化財 如来坐像 中国 唐時代(8世紀前半)永青文庫蔵

とくに中国石仏は、護立が近代日本においていち早く中国美術を紹介・蒐集した早崎稉吉(はやさかこうきち 1874~1956)から譲り受けたもので、北魏末期から西魏、北周、隋、唐の各時代の特徴がみられる重要な像が多く含まれます。

ヴィシュヌ立像 インド ポスト・グプタ時代(7~8世紀)
永青文庫蔵(熊本県立美術館保管)

また、インド彫刻は、普段は熊本県立美術館で保管されているため、東京で見られる貴重な機会となります。

今回は古代中国の鏡「金銀錯狩猟文鏡(きんぎんさくしゅりょうもんきょう)」(国宝)も特別展示いたします。本展を通して東洋美術の魅力を堪能していただければ幸いです」

国宝 金銀錯狩猟文鏡 中国 戦国時代(前4~前3世紀)永青文庫蔵

遥か悠久の時を超えて渡来した仏様たちを目の前で拝観できるまたとない機会です。
ぜひ会場にてじっくりご鑑賞ください。

【開催要項】
アジアの仏たち―永青文庫の東洋彫刻コレクション―
会期:2026年1月17日(土)~3月29日(日)
会場:永青文庫
住所:東京都文京区目白台1-1-1
電話:03・3941・0850
公式サイト:https://www.eiseibunko.com/
開館時間:10時~16時30分(入館は16時まで)
休館日:月曜日(ただし2月23日は開館)、2月24日(火)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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