「あれ? なんて漢字だったっけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第57回目は、「糸瓜」をご紹介します。7~9月が旬の、主に夏に多く流通する夏野菜です。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「糸瓜」はなんと読む?
「糸瓜」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「いとうり」と書いて何と読むのでしょうか……
正解は……
「へちま」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「ウリ科のつる性の一年草」と説明されています。「糸瓜」はつる性の植物で、巻きひげで他のものに絡みついて生長するのが特徴です。熟していない若い実は食用とされますし、熟成した実から果肉と種を落とすことでタワシを作ることもできます。
■「糸瓜」の漢字の由来とは?
「糸瓜」を構成する漢字を見ていきましょう。「へちま」を「糸瓜」と書くのは、そもそも昔は「いとうり」という名前だったからです。果実から繊維が取れるので、こう呼ばれていました。では、なぜ「へちま」という読み方に変化したのでしょうか。
「いとうり」は時代が経つと頭文字の「い」が省略され、「とうり」に変化しました。「とうり」が「へちま」になったのには「いろは歌」が関係しています。「とうり」の「と」は、このいろは歌で「へ」と「ち」の間にあります。
いろはにほ“へ”と“ち”りぬるを
このように、“へ”の字と“ち”の字の間にあることから「へちま」といわれるようになったと言われています。確かに「と」は「へち間」ですよね。
■「糸瓜」の仲間!? 「金糸瓜」は何と読む?
皆さまは、「金糸瓜」はご存知でしょうか? 一見すると、へちまの一種と思ってしまいますが……
「金糸瓜」(きんしうり)は「糸瓜」と名前に付いていますが、へちまの仲間ではなく、かぼちゃの一種です。茹でると果肉が金の糸状にほぐれるのが、名前の由来だと言われています。そのほぐれた糸状の果肉の様子から、別名「そうめんかぼちゃ(素麺南瓜)」とも呼ばれます。
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いかがでしたか? 今回の「糸瓜」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? いろは歌を使った粋な由来を知ると、普段目にしている野菜も少し違って見えてきますね。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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