お正月ムードも落ち着き、一月七日は五節句のひとつ、人日の節句です。
この日は七草の日とも呼ばれ、七草がゆを食べることで無病息災を祈るほか、お正月で乱れた食生活を整え、胃を休める意味も込められています。
春の七草と言えば「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」
このうちすずなは蕪、すずしろは大根を指します。
七草全てを揃えるのはなかなか難しいですが、今の時期旬を迎える大根で人日の節句を迎えてみてはいかがですか。
今回は大根の栄養を上手に補うレシピをご紹介します。
たっぷりおろしの揚げだし豆腐風
【材料】(1人分)
木綿豆腐 150g
大根 100g
青ねぎ 少々
片栗粉 大さじ1
サラダ油 大さじ1
めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1/2
【作り方】
1.大根は皮を剥きおろし、水分を切り別に取り分けておく。
2.木綿豆腐は食べやすい大きさに切り、水を切っておく。青ねぎは小口切りにする。
3.木綿豆腐の表面に片栗粉をまぶす。
4.フライパンに油を熱し、3を全面焼いていく。
5.大根のおろし汁とめんつゆを耐熱容器に入れ、600Wの電子レンジで40秒加熱する。
6.4に5をかけ、大根おろし、青ねぎを散らし完成。
木綿豆腐に片栗粉をまぶして多めに焼くことで、揚げ出し豆腐のような食感に。
大根おろしのおろし汁まで余すことなく使用し、旬の大根の風味をより味わえるメニューです。
大根に含まれる消化酵素、アミラーゼは加熱に弱く、50~70℃で消滅してしまいます。
アミラーゼはすりおろすことで活性化するので、大根おろしを生で食べるのがおすすめです。
大根おろしを作る際は、円を描くようにおろすことで辛味を抑えることができますよ。
また大根おろしを作る際は、かたくしまって甘みのある葉に近い部分を使用するのがよいでしょう。
食塩相当量:0.8g
大根のポン酢きんぴら
【材料】(1人分)
大根 50g
人参 20g
大根の葉 30g
ポン酢 小さじ1
いりごま 適量
ごま油 小さじ1/2
【作り方】
1.大根、人参はよく洗い、皮のまま拍子切りにする。大根の葉は細かく刻む。
2.フライパンにごま油を熱し、大根、人参を炒める。
3.5分ほど中火で炒めたらポン酢を加え、水分がなくなるまで炒める。
4.いりごま、大根の葉を加える。
5.1分ほど炒めたら火を止める。うつわに盛り、完成。
大根や人参の皮にも、栄養がたくさん。
よく洗って皮ごと調理することで、栄養を補いながら生ゴミを削減することができます。
10分ほどで作ることができるので、忙しい日のもう一品や作り置きなどにおすすめです。
大根は根が淡色野菜、葉が緑黄色野菜に分かれている珍しい野菜です。
大根の葉にはビタミンAやC、食物繊維などが豊富に含まれています。
旬のこの時期には葉付きの大根が安価で売られているので、見つけたらぜひ手にとって下さい。
大根の葉は傷みやすいので買ってきたらすぐに根と切り分け、早めに使いましょう。
今回のように油で炒めることで、β-カロテンの吸収をアップすることもできます。
シャキシャキ感を楽しむため、仕上げ直前にさっと炒めましょう。
食塩相当量:0.5g
* * *
大根は皮も葉も上手に使えば、捨てるところはほぼありません。
旬のおいしさを丸ごとしっかり味わいましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。