日常生活の中で度々口にする食べ物の一つに、パンがあります。豊富な種類や具材、食感が楽しめるパンは、日本人の食生活になくてはならない人気の食べ物です。今回、株式会社日本能率協会総合研究所が、15~79歳の男女を対象として「パンの嗜好や購買・喫食実態」をテーマとした調査を実施しました。その結果をもとに、人気のパンランキングや男女・年齢によるパンの好みの違いなどをご紹介していきます。
■約9割が「パン」が好き 女性の方が男性よりもパンを好む傾向
「あなたは、パンが好きですか? 」という質問には、全体で約9割の人が「パン」が好きと回答しました。「非常に好き」という割合は23%、「好き」という割合は48%、「どちらかというと好き」という割合は17%という内訳になっています。さらにパンが「非常に好き」の回答率でみると、女性は3割、男性は1割半程度と、女性の方が男性よりも好意度が高い傾向が見られます。その中でも、女性60代は3割半が「非常に好き」と回答しており、全性年代内で最も高いと言えます。一方で男性15~19歳は、パンへの好意度が他年代と比較すると低く、好きと答えた人は7割を下回りました。
■好きなパンランキング、1位「クロワッサン」2位「食パン」3位「卵サンド」
95種類挙げたパンの中から好きなパンの種類を聞きました。その「好きなパンTOP15」をみると、1位「クロワッサン」、2位「食パン」、3位「卵サンド」というランキング結果に。3位までのパンはいずれも、6割以上の人から賛同を得ています。4位以降は「カレーパン」「ハンバーガー」「アップルパイ」「カツサンド」などどっしりとしたボリューム感のあるパンが続きます。
また、パンの好意度にて「非常に好き」と回答している方に絞ってランキングをみると、上位3つのパンは同様なものの、割合としては全体よりも10%以上高いことがわかります。上位3つの種類の、パン好きからの強い支持がうかがえます。なお「フレンチトースト」と「クリームパン」は、全体のランキングには含まれていませんが、パン好き回答者ではランクインしています。
■男性はボリュームのあるパン、女性は食感を楽しめるパンを好む傾向
「好きなパン」を男女別でみてみましょう。男性は「カツサンド」「ハンバーガー」「ホットドッグ」などボリュームのあるパンが上位に、女性は「アップルパイ」「バゲット・フランスパン」「野菜サンド」など食感を楽しめるパンが上位に上がってきました。年代別でみると、男女ともに70代は「レーズン食パン」「レーズンロール」が10位以内に入り、「レーズン」が含まれたパンが人気を集めていることが分かります。
■食べたくなるパンの味・具材「卵」「メープル」「ソーセージ・ウインナー」が上位
続いて、パンの味(風味・味わい)や具材全74種類の内から人気のものを調査しました。「食べたくなるパンの味・具材」TOP15をみてみると、1位「卵」、2位「メープル」、3位「ソーセージ・ウインナー」、4位「チョコレート」、5位「カスタードクリーム」と続きます。男女別でみると、「カレー」味は男性の方が高く、一方で「チーズ」は女性が好む傾向にありました。ただし、好きなパンランキングで高齢者が挙げていた「レーズン」は、若年層よりも高齢者の割合が高くなりました。パンの種類と同様に、風味・味わい・具材の人気にも、性別・年代別で様々な傾向が見られます。
■パンに含まれていたら買いたくなる栄養素は「食物繊維」「カルシウム」が4割超
21の栄養素を選択肢の中から「パンに含まれていたら買いたくなる栄養素」を尋ねました。すると、「食物繊維」「カルシウム」が4割以上と人気がありました。年代別にみると、男女ともに60代・70代は「買いたくなる」と回答している割合が高いものが多いという傾向があります。「DHA」では男女ともに高齢になるほど高くなり、60・70代は3割前後が買いたくなる栄養素として回答しています。一方で、「ひとつもない」が全体で2割半程度、年代でみると男性15~19歳は4割半程度と、パンに栄養素が含まれていても購買意欲が高まらない層が一定数いることがわかります。
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いかがだったでしょうか? 幅広い世代で親しまれるパンについて、好きなパンや食べたくなる味・具材などの嗜好や、高齢者はレーズンが好きといった年代別の好みの特徴などが明らかになりました。普段の自分が口にしない種類のパンが人気だったり、気になる味・具材があったりしたかもしれません。これを機に、さまざまなパンを楽しんでみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
調査名 :パンに関する実態調査2020
※今回のリリースでは、上記調査の中に収録されている
調査結果の一部を抜粋してご紹介致します。
調査期間:2020年7月1日(水)~2020年7月13日(月)
調査対象:日本能率協会総合研究所が保有する「モニターリサーチ・システム」
(全国に居住する15~79歳の男女)
調査方法:郵送調査
回答者数:1,381名(配布数2,000名、回収率69.1%)
母集団人口構成比に基づきウェイトバック集計を実施