最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもありますよね。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第16回目は、「鍍金」をご紹介します。「ときん」と誤読されることが多い漢字です。脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「鍍金」はなんと読む?
「鍍金」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「鍍金が剥げる」といった慣用句だと、見覚えがあるのではないでしょうか……
正解は……
「めっき」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「鍍金」は「金属または非金属の表面を他の金属の薄膜で覆うこと。またそのようにしたもの」という意味に加え、そこから派生した「うわべを飾り、よく見せること」という意味で説明がされています。また、慣用句「鍍金が剥げる」とは、「取り繕うことができなくなって、本性が現れる」といった様子を表現しています。続いて「鍍金」の漢字の由来についてご説明をいたしましょう。
■「鍍金」の漢字の由来とは?
実は、「鍍」の字だけでも「めっき」と読みます。この漢字が「金銀を溶かして、物の表面に流し飾り付ける」という意味を持っているからです。そこに「金」がついたものが「鍍金」。この漢字は昔から使用されていたものですが、「鍍」の字が常用漢字ではないことから、多くの場合、平仮名で「めっき」と表記されます。
■鍍金と滅金の違いは?言葉の由来を確認
そもそも、「鍍金」という言葉自体の由来はなんなのでしょうか? 金属をコーティングする際に昔は、水銀に金を溶け込ませたものを金属に塗りつけ、加熱し水銀のみを蒸発させて金を付着させる方法を用いたようです。金が水銀に溶けて見えなくなることからこの方法を滅金(めっきん)と呼びました。そしていつからか「ん」がとれて「めっき」と呼ばれるようになったと言われています。そのため、稀に「めっき」を「滅金」と表記する場合もあるようです。
***
いかがでしたか? 今回の「鍍金」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 最近はコロナ禍もあり、様々な分野で「鍍金が剥がれる」といった事態も多かったような気がいたします。語源を知ることで「鍍金」という言葉への理解もより深まったのではないでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com
Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/