最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもありますよね。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第6回目は、「胡瓜」をご紹介します。今回の動画は、夏らしい特別バージョンでお届けいたしますので、ご視聴もお楽しみください。
脳トレ漢字の動画を楽しみながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「胡瓜」は、なんと読む?
この”胡”と”瓜”を組み合わせた熟語、「胡瓜」は日常でよく使う食材であり、夏野菜の一つです。読み方に心当たりはありますか? 河童の大好物といえば… 、もうおわかりですね。
正解は…
「きゅうり」です。
「きゅうり」はなぜ「胡瓜」と書くようになったのでしょうか? 続いての項目では、由来についてご説明をいたします。
■胡瓜の由来とは?
私たちが食す「胡瓜」は緑色ですが、熟すと黄褐色になることをご存知ですか? このことから、日本では伝来当初「黄瓜」と表記していました。江戸時代から表記を「胡瓜」とあらためています。
ではなぜ、「黄」ではなく「胡」という漢字が使われるようになったのでしょうか? 「胡瓜」は中国語の表記そのものです。「胡」という漢字は、古代中国において、北方・西方の異民族の称でした。そして、シルクロードを渡ってきた異民族由来のものであることを示す際にも「胡」という漢字が使われたのです。
「胡」がつく漢字は他にも「胡桃(くるみ)」、「胡椒(こしょう)」、「胡麻(ごま)」などが挙げられますね。いずれもシルクロードを渡って、中国へもたらされたことを示しています。
■胡瓜はもともとヒマラヤ原産の薬用植物
「胡瓜」はウリ科キュウリ属の野菜で、原産地はインド・ヒマラヤ山麓だといわれています。紀元前10世紀頃から栽培されていたそうです。日本へは6世紀から10世紀頃に中国から伝わってきたと言われています。
3000年前には栽培されていたとされ、日本には中国経由で6世紀終わり頃に伝えられました。当時の胡瓜は苦味が強く、薬として使用され、食べられたものではなかったそうです。食用として一般に普及したのは、江戸時代になってから。伝来した時期を考慮すると、日本人の生活に根ざしたのはつい最近のことのようにも感じられますね。
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いかがでしたか? 今回の「胡瓜」のご紹介は皆様の漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 今後、「胡」という漢字を書く際には、シルクロードのことも同時に想起されるかもしれませんね。
来週をお楽しみに。
文/京都メディアライン
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