最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもありますよね。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第7回目は、「痙攣」です。この猛暑で注意したい症状の一つですね。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「痙攣」は、なんと読む?
なかなかに字画の多い熟語、「痙攣」ですが、「全身的または部分的に筋肉が収縮し、不随意運動を起こすこと。持続的にみられる強直性のもの、間欠的にみられる間代性のものなどがあり、脳疾患・髄膜炎・中毒・ホルモンなどが原因」(出典:デジタル大辞泉(小学館))を意味しています。
読み方の正解は…
「けいれん」です。
猛暑が続くと熱中症への警戒が叫ばれます。熱中症によって「痙攣」が起こることもあるので、注意をしたいですね。
■「痙」と「攣」、それぞれの漢字の持つ意味とは?
「痙攣」という漢字について、字画も多ければ、それぞれの漢字にも馴染みが薄いのではないでしょうか? 漢字一文字ずつに分解して見ていきましょう。
はじめに「痙」は、音読みは「ケイ」、訓読みは「ひきつる」です。続いて「攣」は、どうでしょう。音読みを「レン」、訓読みは「ひく」です。
両文字ともに「ひきつる」ことを指していることがわかりました。二字重ねることで、より意味が強調されますね。
「痙攣」の他にも、それぞれの漢字を使った言葉として、
・「書痙(しょけい)」(文字を書こうとすると、緊張性痙攣、振戦、麻痺などが起って、手指が動かなくなる現象)
・「攣縮(れんしゅく)」(1回の刺激により筋肉が1回だけ収縮してもとに戻ること)
などという熟語があります。
■他にも覚えておきたい、「巠」を使う漢字
「痙攣」の「痙」の字には、「巠」が漢字の構成に含まれています。「巠」という漢字は、機織(はたおり)の縦の糸を漢字で表した象形文字です。「縦にまっすぐ」という意味があります。
「疒(やまいだれ)」がつくと、「ひきつる」という意味になりましたが、頭・顔を表す「頁(おおがい)」がつくと、「頸(くび)」に。体に関する文字を作る「月(にくづき)」がつくと、「脛(すね)」となります。
「頸」は頭の下のまっすぐな部分ですね。同様に、「脛」も体のまっすぐな部分です。
漢字の組み立てで、音を表す部分(たとえば「管」「館」における「官」のこと)を理解すると、より漢字への造詣も深まるのではないでしょうか。
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いかがでしたか? 今回の「痙攣」のご紹介は皆様の漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 漢字は日常生活に不可欠の文字ですが、本来どのような意味を持つものであったかを知る人は少ないものです。文字の生い立ちを知ると、より漢字への興味も湧いてくるのではないでしょうか。
来週をお楽しみに。
文/京都メディアライン
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