37歳で早逝した、フランス・ロマン主義を代表する画家に数えられるテオドール・シャセリオー(1819-1856)。日本では知られざる画家であったこの天才画家を、初めて本格的に紹介する展覧会が、東京・上野の国立西洋美術館で開催されています。(~5月28日まで)

テオドール・シャセリオー《カバリュス嬢の肖像》〔1848年 油彩・カンヴァス カンぺール美術館蔵〕Collection du musée des beaux-arts de Quimpe

テオドール・シャセリオー《カバリュス嬢の肖像》〔1848年 油彩・カンヴァス カンぺール美術館蔵〕Collection du musée des beaux-arts de Quimpe

今回の展覧会は、国立西洋美術館とルーヴル美術館が長年温めてきた企画で、本国フランスでも作品をまとめて見られることが稀なシャセリオーの芸術を、日本で初めて本格的に紹介する意欲的な展覧会です。

テオドール・シャセリオー《コンスタンティーヌのユダヤ人街の情景》〔1851年 油彩・カンヴァス メトロポリタン美術館蔵〕

テオドール・シャセリオー《コンスタンティーヌのユダヤ人街の情景》〔1851年 油彩・カンヴァス メトロポリタン美術館蔵〕

本展の見どころを、国立西洋美術館の主任研究員、陳岡めぐみさんにうかがいました。

「11歳でアングルに入門を許され、師に“いずれ絵画のナポレオンになる”と予言された早熟の天才、テオドール・シャセリオー。16歳でパリの画壇にデビューし、やがて師の古典主義を離れ、ロマン主義の最後を飾るにふさわしい抒情と情熱に満ちた作品の数々を残して、1856年に37才で急逝した彼は、まさに時代を駆け抜けた才能でした。

日本初の回顧展となる本展では、ルーヴル美術館の所蔵品を中心にシャセリオーの画業全体を紹介するとともに、彼から影響を受けたギュスターヴ・モローやピュヴィス・ド・シャヴァンヌ、オディロン・ルドンらの作品もあわせて総数約110点の絵画・素描・写真などを展示し、ロマン主義から象徴主義への展開、そしてオリエンタリスムの系譜のなかでその芸術の意義を再考します。」

この機会に、知られざる19世紀ロマン主義絵画の世界を、ぜひご堪能ください。

【シャセリオー展 19世紀フランス・ロマン主義の異才】
■会期/2017年2月28日(火)~5月28日(日)
■会場/国立西洋美術館
■住所/東京都台東区上野公園7-7
■電話番号/03・5777・8600(ハローダイヤル)
■料金/一般1600(1400)円 大学生1200(1000)円 高校生800(600)円 ( )内は20名以上の団体料金 ※中学生以下無料、心身に障がいのある方および付添者1名は無料
■開館時間/9時30分から17時30分まで、金曜日は20時まで(入館は閉館30分前まで)
■休館日/月曜日(ただし3月20日、3月27日、5月1日は開館)、3月21日(火)
■アクセス/JR上野駅公園口より徒歩約1分、京成上野駅より徒歩約7分、21メトロ銀座線・日比谷線上野駅より徒歩約8分
http://www.tbs.co.jp/chasseriau-ten/

取材・文/池田充枝

 

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