登山・ハイキングの意欲がわいてくる夏が近づいてきました。日本には山登りに適した景勝地が数多くあります。阪急交通社が6月~8月の期間に限定した登山・ハイキングの人気スポットについて調査しました。そこで出た結果を1位から順に概要や魅力とともにご紹介していきます。
1位 尾瀬(おぜ)<群馬県、福島県、新潟県、栃木県>
標高1,400m以上にある二つの盆地、尾瀬ヶ原、尾瀬沼に広がる湿原、そして燧ヶ岳(ひうちがたけ)、至仏山(しぶつさん)という名峰を含む一帯が尾瀬と呼ばれています。徹底した自然保護活動により保たれている、美しい景観を楽しみながら、どこまでも続く木道に沿って歩きます。
5月から6月には、「夏の思い出」という有名な歌にも出てくるミズバショウや、ウワミズザクラ、7月~8月にはカキツバタやニッコウキスゲ、ミヤマシシウドなど、季節の花の観賞もできますよ。
2位 利尻島(りしりとう)・礼文島(れぶんとう)<北海道>
“花の浮島”とも言われる礼文島は、初夏になると300種類を超える高山植物が咲き乱れます。桃岩展望台とキンバイの谷や知床を往復するコースなら、咲き乱れる花も利尻山を臨む絶景も楽しめます。
礼文島のすぐ南にある利尻島は、白い恋人の絵に使われていることでも有名な利尻山がそびえ、登山は可能ですが難易度は高め。登山・ハイキング初心者は、20分で一周できる姫沼や気軽に登れるポン山(「ポン」はアイヌ語で小さいを意味する)がおすすめです。
3位 富士山(ふじさん)<山梨県、静岡県>
標高3776.24m、日本一の高さを誇る富士山。ご来光や雲海などに出会えるのを楽しみに、一生に一度は登ってみたいと考えている方も多いでしょう。例年開山期間になると、多くの登山者が訪れます。
主要な4つのルートの内、途中に山小屋が多い吉田ルートが一番人気です。山梨県側にある「富士スバルライン5合目」から山頂を目指します。
4位 知床(しれとこ)<北海道>
知床八景と呼ばれる、知床五湖、知床峠、オシンコシンの滝、カムイワッカの滝、フレペの滝、オロンコ岩、夕陽台、プユニ岬が人気の観光地。
知床の原生林に囲まれた知床五湖には高架木道があり、湖や知床連山の見事な眺めが楽しめます。地上遊歩道は、ヒグマ活動期や植生保護期などによって異なる条件で、予約や申請をすることで歩くことができます。
知床自然センターからフレペの滝までの遊歩道では、野生のエゾシカに出会えることもありますよ。
5位 鳥海山(ちょうかいさん)、蔵王(ざおう)、月山(がっさん)<秋田県、山形県、宮城県>
富士山に似た姿を見せることから「出羽富士」と呼ばれる、山形県で最高峰の鳥海山。月山では350種類以上あると言われる高山植物が楽しめ、4月~5月にかけての春スキーができることでも有名です。蔵王では、エメラルドグリーンの湖に、それを囲む火口壁の姿が神秘的な御釜が人気を集めています。
6位 屋久島(やくしま)<鹿児島県>
島の90%が森林に覆われ、世界自然遺産にも登録されている屋久島。屋久島のシンボルともなっている縄文杉(最大の屋久杉)を目指すトレッキングが人気です。レールが敷かれたトロッコ道に、ハート型の天井が見られるウィルソン株などのスポットを途中通りながら、片道5時間ほどかけて歩きます。
標高差が600m以上の山を歩くのでやや難易度が高く、自信のない方は、ヤクスギランドや白谷雲水峡をめぐる散策コースを楽しまれるのもいいでしょう。
7位 谷川岳(たにがわだけ)<群馬県、新潟県>
谷川岳は群馬と新潟の県境にあり、日本百名山のひとつです。「トマノ耳」、「オキノ耳」と呼ばれる双耳峰があるのが特徴で、山頂からは周囲の山々を臨む絶景が広がります。
ロープウェイとリフトを使ってから尾根を歩くコース、ロープウェイのみを使い山頂を目指す登山コース、一ノ倉沢岸壁のトレッキングコースなど、さまざまなコースを楽しむことができます。
8位 乗鞍岳(のりくらだけ)<長野県、岐阜県>
標高2702mの場所に畳平バスターミナルがあり、標高3026mで最高峰の剣ヶ峰にも片道1時間半で登頂できます。日本百名山のひとつで、この標高でありながら、初心者でも登頂が容易なのが魅力です。
畳平バスターミナルの南側には花畑が広がります。1周約40分の木道を散策でき、夏には高山植物の花々が見られるほか、特別天然記念物であるライチョウの姿が見られることもあるそうです。
9位[同率] 上高地(かみこうち)<長野県>
「特別名勝」、「特別天然記念物」という称号を持つ上高地は、日本有数の山岳リゾートとして有名です。上高地バスターミナルよりすぐの河童橋を起点に大正池を往復するコース、明神池を往復するコース、それらをどちらも堪能するなど、かけられる時間によって選択できます。焼岳の噴火が元で生まれた大正池は、水没により立ち枯れた木々による幻想的な雰囲気が漂います。
かつてこの上高地は、ウォルター・ウェストンというイギリス人宣教師により世界に紹介されたといいます。その際山案内人を務めた上條嘉門次(かみじょう かもんじ)の名が付いた小屋(嘉門次小屋)があり、そこでは炭火で焼かれたイワナを味わうことができますよ。
9位[同率] 千畳敷カール(せんじょうじき)<長野県>
「カール」とは、氷河期の氷で削り取られたお椀型の地形のこと。そして畳が千枚くらい敷けそうな場所ということから、千畳敷カールと呼ばれます。標高2,500m以上という高所にあるものの、バスとロープウェイ(高低差日本一という駒ヶ岳ロープウェイ)を使って一気にたどり着けます。
千畳敷カールは高山植物の宝庫です。7月下旬頃に見頃を迎えるシナノキンバイやコバイケイソウをはじめとした豊富な種類の花が楽しめます。
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手つかずの自然、おいしい空気、咲き乱れる高山植物、山頂からの景色。何より自分の体を使って、汗をかきながら自然に溶けこめることが登山・ハイキングの一番の魅力だったりします。
ランクインしたスポットはいずれも、コースを選べば初心者でも問題なく楽しめるところばかりです。だからといって、甘く見ずに、十分な準備をしてから夏の山に臨みましょう。コースごとの特徴を十分に調べて行くのはもちろんのこと、初めての山では専門ガイドにお願いするのも安心ですね。
[調査方法]
対象:2018年6月1日~2018年8月31日に帰着した、登山・ハイキング関連の国内ツアー申込者数
発着地:発着地問わず