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旅行

ユネスコの無形文化遺産、スペイン・バレンシアの「火祭り」|火祭りアーティストとはいったい何?

文・写真/田川敬子(海外書き人クラブ/スペイン在住ライター)

3月になりバレンシアは色めき立っている。2016年にユネスコの無形文化遺産として登録された火祭りが始まったのだ。現地ではLas Fallas(ラス・ファヤス)と呼ばれるこの祭りには、国内外から100万人もの見物客が訪れる。ここには、150年ほど前からこの祭りのために存在する職業がある。火祭りアーティストだ。いったい火祭りでどんな役割をしているのか?

火祭りは大工の守護聖人ヨセフに由来する

毎年2月の最終日曜日に開会式典が催されると徐々にお祭りムードが高まっていくが、火祭りの本番は3月16日からの4日間。市内には400近い火祭りグループが存在し、それぞれがたいてい大小2つの飾り“ファヤ”を町に設置する。市内に点在するその数は、合計するとおよそ750にも及ぶ。郊外の町も加えると1000に届くかもしれない。これを見てまわるのが祭りの醍醐味だ。大きいものだと高さは20mを超え、製作費もウン千万円の世界となる。それが最終日19日の夜にはすべて燃やされてしまうのだ。たった4日間の命のこれだけの数の“ファヤ”を、ほぼ1年がかりで制作するのが火祭りアーティストである。

昨年もっとも製作費が高い特別部門で1位に選ばれた“ファヤ”。製作費20万ユーロ、高さ23m

昨年もっとも製作費が高い特別部門で1位に選ばれた“ファヤ”。製作費20万ユーロ、高さ23m

ちなみに3月19日はカトリック教会ではキリストの父、聖ヨセフの日。聖ヨセフは大工だったことから、大工たちの守護聖人として崇められている。何百年も前に大工たちが、いらない木材や木くずを集めて火を焚きこの日を祝ったことが火祭りの起源と言われている。

最終日の夜は町のあちらこちらで炎があがる

最終日の夜は町のあちらこちらで炎があがる

火祭りアーティストという職業は、1850~60年頃から存在するという。昔は大工や画家達が本業の傍らに“ファヤ”を作ったが、祭りの規模が大きくなるにつれ専業となった。今では教育システムも整い、2年制の専門課程に通った後に3年の見習い期間を終えれば火祭りアーティストを名乗ることができる。同業者組合には現在300数十人が登録されているが、実際に働いているのは見習いを含む220人程度だとのこと。工房を構える者、工房専属の者、毎年あちこちの工房を渡り歩く者、とさまざまだ。

火祭りアーティストとして工房を構えるチモ・エステべ

バレンシアの外れに工房の多くが軒を連ねる一画がある。そこに、この道37年のチモ・エステベを訪ねた。5人のアシスタントと見習いを抱える工房だ。今年は6つの契約を取り付け、制作にかかった。

チモ・エステベ

1800年代は木製、1900年代半ばからは日本にもある張り子人形と同じ手法だったが、現在は発泡スチロールが主流である。カッターや糸鋸で大まかな形に切り、大きな“ファヤ”の場合は中に木枠を入れたり、ロープや釘を使ってパーツを組み合わせていく。その上に紙を貼る、やすりをかける、塗料を塗る、などといった作業を加えて完成させる。

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張り子式だと型を繰り返し使うことができる

現在主流の材料は発泡スチロール

現在主流の材料は発泡スチロール

発砲スチロールの上に紙を貼り、塗料を塗った状態

発砲スチロールの上に紙を貼り、塗料を塗った状態

最終的に色付けをしてできあがり

最終的に色付けをしてできあがり

チモはもともと宝石デザイナーの家系で、子どもの頃からアートが身近にあった。そして16歳の時に火祭りアーティストになることを決める。以来、この道一筋。秋からは休日返上で働き、徹夜作業もあたりまえ。決して楽な仕事ではないものの、「火祭り馬鹿だから続けていられるんだよ」と笑う。心底この仕事が好きなのだ。

チモの工房では本人と息子を含め6人が働く

チモの工房では本人と息子を含め6人が働く

チモの工房では本人と息子を含め6人が働く

火祭りが続く限り、火祭りアーティストは活躍し続ける

火祭りでは、大きな“ファヤ”は3月16日の朝8時までに完成させるというきまりがある。「1年で最大の満足感に包まれる日」とチモは言う。ただ、その満たされた気持ちは長くは続かない。次の仕事をとらないといけないからだ。完全フリーランスゆえ、5月末に翌年のプロジェクトが決まるまでは不安な日々を過ごす。制作料は変わらないどころか経済状況によっては下がるにも関わらず、常に素晴らしい作品を求められる。火祭りだけで食べていくのは容易でない。多くのアーティストが、6月のアリカンテの火祭りや映画、テーマパーク、見本市のセットなどの仕事も請け負いつつ、この職を続けている。

過去のチモの作品のひとつ

過去のチモの作品のひとつ

町のあちらこちらに飾られた“ファヤ”を見て歩くと、繊細なファンタジー調のもの、デフォルメされてグロテスクなもの、コミック調のもの、とアーティストの作風が反映されていることが分かる。それぞれにタイトルがあり、ストーリーを持つ。今年のチモの作品には、『人生はまるでサーカス』、『現代のドン・キホーテ』などと哲学的なタイトルがつけられていた。政治家や王室ファミリー、スポーツ選手の人形をよく目にするのは、昔からの風刺の習慣だ。

一昨年からよく見かけるお方

一昨年からよく見かけるお方

このように4日間に渡り見物人の目を楽しませた後に燃やされてしまう“ファヤ”の裏側に、ほぼ1年がかりの火祭りアーティストの情熱と汗が隠れていることは、バレンシアの外ではあまり知られていない。“ファヤ”が灰になる頃には、もうアーティストの頭の中には翌年の構想が生まれていることであろう。こうしてバレンシアに火祭りが続く限り、火祭りアーティストはその創造性を形にし続けていく。

取材協力: 火祭りアーティストXimo Esteve(チモ・エステベ) http://fallasximoesteve.com/

文・写真/田川敬子(スペイン在住)
2002年よりスペイン在住。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するかたわら、ライターとしてスペイン情報も発信。海外書き人クラブ所属(http://www.kaigaikakibito.com/)。

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