日本で生まれたお洒落な外国客船に乗り、日本発着の日本語が通じる海外クルーズを手頃な料金で楽しむーーこんな魔法のような船旅を実現させた客船がダイヤモンド・プリンセスです。この船は、アメリカに本社があり、2015年に創業50周年を迎える名門のクルーズ会社プリンセス・クルーズの客船なのですが、建造は三菱重工業長崎造船所のメイド・イン・ジャパンという珍しい外国客船です。
↑三菱重工業長崎造船所が建造した『ダイヤモンド・プリンセス』(11万5875トン)
取材時の乗組員の中には、建造時に長崎に住んでいた人もいたほど。つまり、この船にとって、日本は特別な国なのです。故郷日本にやってきたダイヤモンド・プリンセスが2014年に日本の乗客を主な対象とした日本発着クルーズを始めるのを機に、日本のお客様の快適度を増すため、大幅な改装を行ない、展望大浴場「泉の湯」や、寿司レストラン「海」(Kai)を新設し、一段と日本人好みの客船に生まれ変わりました。
↑左/日本式大浴場「泉の湯」、寿司レストラン「海(Kai)」で提供されているお寿司。
そんなダイヤモンド・プリンセスに乗り、横浜を出港し、釧路、知床半島クルージング、コルサコフ(ロシア)、小樽、函館、青森を経て再び横浜へ戻ってくる「北海道周遊とサハリン10日間」は、北国の爽やかさを堪能するにはうってつけの船旅となりました。
このクルーズの便利なところは、出航数日前に、宅配便でスーツケースが送れるところ。当日は、手荷物一つで港へ行きチェックインすることができます。スーツケースは客室に届いているので、体も荷物も、海を走る優雅なホテルに乗って旅をするような快適さです。さらに、横浜港から船内に一歩入れば、そこはもう外国の世界。しかし、日本語は通じるという、安心感のある異国情緒が味わえます。
出港した翌日の船長主催歓迎パーティーでは、プリンセス・クルーズ恒例のシャンパンウオーターフォールが行われました。これは、ピラミッド型に積み上げたシャンパングラスのてっぺんから、有志のお客様がシャンパンを注ぐイベントで、クルーズらしい華やかな幕開けを演出しました。
最初の寄港地は釧路。ダイヤモンド・プリンセスの乗客は港から幣舞橋(ぬさまいばし)の近くにあるフィッシャーマンズワーフMOOまで、シャトルバスの無料送迎があることも便利でした。そこで、早速、釧路の名所・幣舞橋を渡ってみました。 幣舞橋は、1889年、全道一長い木橋として釧路川にかけられたことが起源で、現在の橋は1976年にかけられた5代目の橋に当たるそうです。この橋に芸術の要素を加えているのが春・夏・秋・冬を現す4体の女性像「四季の像」。橋の途中で釧路名物の霧が降り始めると、欄干の女性像が霧のベールに包まれ、さらに神秘的な風景を描き上げました。
フィッシャーマンズワーフMOOは、海産物店、お土産等が並ぶ複合商業施設です。中核はEGG(Ever Green Garden)という卵型の不思議な建物。実は、ガラスドームに覆われた植物園で、年間通して緑の植物が鑑賞できる市民の憩いの場となっています。外国から来たダイヤモンド・プリンセスの乗客たちも、園内のベンチに座り、緑の園を楽しんでいました。
さて、船内に戻ると「泉の湯」へ直行。ここは、2014年の改装で誕生した入浴施設で、男湯と女湯に分かれた屋内展望大浴場には、打たせ湯やサウナもあります。有料ですが、お風呂から北国の爽やかな風景を眺め、冷えた体を温めるにはうってつけでした。屋外には日本風庭園を配し、中央に眺望の良い大型の泡のプールを設置。こちらは、男女共用の水着着用システムなので、家族や恋人同士でも楽しめます。そして、男湯と女湯の間にあるリラクゼーションスペースには、レモン水やフルーツが用意され、湯上り後のほっこり感も満喫しました。
次の寄港地はコルサコフ。ロシア本土の東に浮かぶサハリン島にあるサハリン州第3の港湾都市です。船のオプショナルツアーに参加するとガイドは地元の女子大生。しかも日本語で、とても感じよく案内してくれました。ソベツカヤ大通りの両脇には露店の土産物屋が並び、街一番の目抜き通りの賑わいです。通り沿いの魚屋で、「チョルナーヤ・イクラ(黒いキャビア)はありますか?」と言ってみましたが、「赤いイクラならあるよ」という返事。やはり、最近はキャビア(チョウザメの卵)を買うのは難しいようです。やがて、レーニンの像が立つ中央広場に到着。その隣の文化センターで、民俗芸能の鑑賞となりました。美しい衣装と舞踊、カリンカなどのロシア民謡は親しみやすく、劇場は手拍子に包まれました。ダイヤモンド・プリンセスのクルーズは外国でのオプショナルツアーも日本人に判りやすいことが大きな特徴です。
ダイヤモンド・プリンセスには今年から新名物「オードリー・へプバーン特別メニュー」が誕生しました。実は、1989年、女優オードリー・ヘプバーンはプリンセス・クルーズの客船スター・プリンセスのゴッドマザー(名付け親)を務め、その後スター・プリンセスのカリブ海クルーズを楽しみました。命名式の祝宴には彼女のために特別メニューが用意されましたが、その再現メニューがダイヤモンド・プリンセスに登場することになったのです。しかも、クルーズ中1回「オードリー・へプバーン特別メニュー」が無料でサービスされます。
内容は、
◎サーモンの温かい燻製、
◎ミックスグリーンと鶉卵サラダ
◎4種チーズのトルテリーニパスタ
◎マール酒のシャーベット
◎牛フィレステーキ・森のキノコソース
◎レモンチーズケーキとバニラパンナコッタ盛り合わせ
◎オードリーのプティフール
といったラインナップ。
実際に味わってみると、一皿一皿に特徴がある美味しく上品なコースでした。
超十万トン客船ダイヤモンド・プリンセスは、大きさを活かし、施設もバラエティ豊か。プールだけでも、船尾にあるテラスプール、ミニチュアの大仏もある東洋的なデザインのラッププール、全天候型のカリプソプール、屋外大型のネプチューンプールなど、様々な雰囲気が楽しめます。特に、ネプチューンプールの上には「星空の下の映画館」(ムービーズ・アンダー・ザ・スターズ)と名付けられた大型液晶画面があり、プールサイドには鑑賞用のデッキチェアも完備。昼は、ジャグージ―につかりながら、サッカー観戦。夜は文字通り星空の下の映画館となり、デッキチェアに腰をかけ、心行くまで野外名画劇場を楽しみました。
小樽では、岸壁に物産展が開かれ、英語と日本語のインフォメーションカウンターもオープン。小樽運河までの行き方を丁寧に説明し、地図を配る、地元の人の至れり尽くせりの対応に、外国から来たお客様達も満足そうでした。
函館では、無料のルームサービスを利用して、自室のベランダで函館山を望みながらランチに舌鼓。本物の洋食を食べながら、外国船上から見る函館山は、雲に隠れたり、現れたり一段と神秘的。日本の美や親切心を再認識した旅でもありました。
船上ショーも、音楽コンサート、マジックから落語まで、バラエティ豊か。日本語教室、英語教室、卓球大会、ダンス教室等もありました。また、本格的なカジノがあるのもギャンブル好きにも魅力的なクルーズです。
外国客船の華やかさはもとより、言葉の不安を取り除くため約100人もの日本語スタッフを動員し、日本人が過ごしやすいよう和食や日替わりの麺類(ラーメン、素麺など)も準備。さらに手頃な料金を打ち出し、スーパークルーズを実現させたダイヤモンド・プリンセスは、2015年も数々の日本発着クルーズを行うことが決定しました。 国内旅行と海外旅行の醍醐味を両方堪能できるダイヤモンド・プリンセスのクルーズは、きっと新しい旅の扉を開けてくれるに違いありません。
【2015年 ダイヤモンド・プリンセス日本発着クルーズのご案内】
ツアー名:
「たっぷり北海道周遊とサハリン10日間」
日時:
2015年7月8日~7月17日
2015年7月17日~7月26日
2015年8月19日~8月28日
コース:
横浜→クルージング→釧路→知床半島クルージング→コルサコフ(ロシア)→小樽→函館→青森→クルージング→横浜
価格:
内側客室18万4千円から
海側客室20万4千円から
バルコニー客室27万9千円から
ツアー名:
「ハイサイ沖縄と台湾周遊9日間」
コース:
神戸→クルージング→沖縄→花蓮(台湾)→高雄(台湾)→基隆(台湾)→クルージング2日間→神戸
日時:
2015年5月29日~6月6日
2015年6月6日~6月14日
価格:
内側客室14万9千円から
海側客室16万9千円から
バルコニー客室23万9千円から
*他にも多数の日本発着コースあり
*いずれも1部屋2名使用の場合の1名分代金
問い合せ先:
カーニバル・ジャパン
http://www.princesscruises.jp